「リンク」
体を優しく揺すられ、目を醒ました。
段々クリアになる視界になまえが映る。
「おはようリンク。朝だよ」
微笑むなまえをぼうっと見つめる。
エプロンを身に付けたなまえの向こうに、火にかかっている鍋がわずかに見えた。
なまえはやわらかな手つきで俺の目にかかった前髪を払う。
「もう、寝惚けてるの?」
クスクスと鳴る喉、細められた目にゆるやかなカーブを描く唇に、言い表せないほどの幸せを感じる。
名前を呼ぼうと息を吸った。
「リンク!!」
「!!」
ハッと息をのむ。
木から伸びる葉と空をバックになまえが覗きこんでいた。
なんだかデジャヴ。
「…なまえ?」
「もう朝だよ、今日はハイリア湖行くんでしょ?」
なまえは視界からいなくなると、ごそごそと簡単な朝食の準備を始める。
それを見ながらむくりと上半身を起こす。
「はい」
するとスープの入ったカップを差し出された。
受け取るとなまえはにこりと笑った。
「おはよ、リンク」
それが夢と重なり一瞬驚いたけれど、やっぱり幸せな気持ちになって俺も笑った。
「おはよう、なまえ」
いつか、そんな未来がくるといい。
その一秒先の未来に
(幸せそうだったけど、どんな夢見てたの?)(…秘密だよ)