「なまえ」
風呂上がりのなまえにリンクが後ろから抱き締めた。
その言葉にはわずかに熱がこもっている。
なまえからシャンプーやボディーソープの香りが鼻腔をくすぐり、体が疼いた。
リンクは腰に回した手を撫でるように動かす。
なまえがくすぐったそうに体をよじらせた。
「ねえ」
「やだ」
「え、俺まだ何も言ってないんだけど」
なまえがはあー、とあからさまなため息をついた。
「シない?て言おうとしたでしょ」
「う」
まったくそのとおりでリンクは言葉をつまらせる。
「や、その……シたいなーと思って」
「やだ」
ぷい、と抱き締められたままなまえは顔をそむけた。
リンクはぎゅうと力を強め、後ろから顔を近付ける。
「なんでさ?」
「暑いから」
「は?」
リンクが聞き返すと、なまえはするりとリンクの腕から逃れてこちらを振り向いた。
「だから、暑いじゃない!ただでさえ暑い季節なのにさらに暑くなるようなことしたくないわよ!」
「その考えでいくと夏が終わるまでシないて聞こえるけど」
「秋まで我慢したら?」
「俺を殺す気か!」
「ひとりですれば大丈夫」
なまえは背を向け、ひらひらと手を振る。
そんななまえにリンクはムッとした表情をした。
「なまえ」
真っ直ぐ寝にベッドへ向かったなまえを呼び止めると、こちらを振り向く前にベッドにうつ伏せに押し倒した。
「ぶっ!ちょ、リン……っん!」
なまえを押さえつけ、服の裾から手を潜り込ませて指で背中をなぞる。
なまえが体をビクリと震わせた。
「っふ、う」
ちゅ、となまえのうなじにリップ音を落とせば力が抜けて抵抗が段々と弱くなる。
リンクはなまえを仰向けにさせると、ささやくように言った。
「ね、シない?」
「………」
なまえはもぞ、と体をわずかに動かすと。
「この確信犯…」
つぶやいたなまえにリンクは笑みを浮かべてキスをした。
僕らの攻防戦
(勝つか負けるかだって?)(最初からわかってるのさ!)