「リンクただい…ま?」

リンクに申し訳なく思いながらも少し留守番を頼んで出かけ、家に帰ってみれば。

「寝てる……」

リビングのソファーで穏やかな寝息をたてていた。
なまえは静かに近寄ってリンクを覗き込む。

「…………」

そして床に座り、リンクの寝顔を観察することにした。


(ほんとにかっこいい顔をしてると思う。
でもまつげはそこまで長くないよね。
目は閉じてるけど切れ長で青がとっても綺麗だし。
あ、ほっぺとかおでこに傷がある……無理はしないでほしい。
髪の毛ふわふわそうに見えてけっこう硬めなんだよね。
くちびるも、男の子だからなのかな、少しカサついてる。)


じ、となまえはリンクの顔というよりも、薄く開かれた唇を見つめる。

(なんか……)

とてつもなくキスするときを思い出す。
きっと頬は赤く染まっているだろう。
ふとなまえはあることを思う。

(私から…キ、キスしたことあるっけ?)

少し記憶を探してみても、

(したことない…はず)

でも自分からキスするのはなんというかとても恥ずかしい。

(…………)

もう一度リンクの唇を見る。
こくり、唾を呑んだ。

(寝てる、から気付かないよね)

床に膝で立ち、リンクの顔に自分の顔をゆっくり近付ける。
あと数センチ。
リンクの寝息がやけに鮮明に聞こえる。
ソファーについた手がわずかに震えた。
少し息を吸って、止める。
目をぎゅっとつむって、


ちゅ


すぐに唇を離してしまったが、なんだか体が浮いているような感覚を感じた。
そんな感覚にひたりながらゆっくり目を開ける。




ぱち




「…………」
「…………」

青と視線が混じった。

「……!!!?」

なまえがわなわなと体を震わせる。
そんななまえにリンクが吹き出し、寝転んだまま抱き締められた。

「まさか寝込みを襲われるなんてなあ」
「えああそ、なんっ」

リンクはくすくすと笑みをこぼす。

「お、おき、てっ…!」
「なまえが帰ってきたときからね」
「!!!」

がばっとリンクの肩口に顔を埋める。
ゆるゆるとリンクが頭を撫でた。

「ごごご、ご、めっ」
「なんで?すっごく嬉しいけど」
「うう、う」

リンクは両手で顔を上げさせると、笑みを深めて少し長めのキスをされた。










愛のララバイ










(できごころだったんです)(ああもういとしいな)