「は?」

目の前の緑が突然発した言葉にそうこぼした。
しかしリンクは眉をしかめるでもなく、まっすぐ泉を見つめたまま「だからさあ」と再び口を開く。


「愛は世界を救うと思うんだけど」


二度目の言葉になまえは今度は無言で返した。




そもそも何故こんな台詞に行き着いたのかなまえにはまったく理解不明だった。

彼は世界を救う旅の途中で(本人談)、ふらりと故郷に帰ってきた理由は「近くに用があった」かららしい。
そしてたまたま泉にいたなまえがリンクに見付かって、一緒に座り込んでさっきまで他愛もない話をしていたはずだった。
のにいきなり冒頭の台詞でなまえは頭を悩ませた。



(これはどうリアクションをとるべき?)

少しの脳内会議の末に出た結果、

「なんでそう思ったの?」

と素直に聞いてみることにした。





「だってさあ」
「うん」
「俺はこうして世界を救うために旅してるだろ?」
「みたいだね」
「みたいじゃなくてほんとなんだよ!それでその旅をするのが俺じゃなくてもいいんじゃないかってたまに思うんだ」
「うん…」
「でもそう思うと絶対って言ってもいいほどお前の顔が出てくる」
「うん?」
「で、旅をする理由を考えたわけ」
「…それで?」
「それで、だ」


リンクがその横顔を見つめていたなまえと目を合わせて。


「俺がこうやって頑張って旅して世界を救おうと思うのも、結局なまえがすきだから。ってこと」


薄く笑みを浮かべてそんなことを言われ、顔が赤くならないわけがなかった。











「愛は世界を救う」











(しかしその答えはすごく共感できるものだった)(なぜなら私も同じ理由で、彼のただいまを言う場所であり続けているから)