「だあく」
甘ったるい声に振り向けば、なまえがのそのそとベッドから起き上がっていた。
そしてよたよたとおぼつかない足どりで近寄ってくる。
「転ぶぞ」
「ん〜」
ソファーに座っている俺の隣に座ると、ごしごしと目をこすりこてんと肩に寄りかかってきた。
「昼寝にしちゃあ長すぎだろ。もう夕方だぜ?」
「だって、ぽかぽかして気持ちよかったんだもん」
そう言ってぐりぐりと頭を肩に押し付けてくる。
とがめるようになまえの額を軽く指で弾けば「にゅっ!」と変な声をあげた。
「いたいよダーク!」
「はいはい」
「ひどい!」
軽くあしらえば口を尖らせてふてくされる。
けれど離れようとはしないなまえに気分を良くして頭を撫でた。
するとすぐにゆるむ顔。
「お前、イジめて欲しそうな顔してるよな」
「!そ、そんなことないよっ!」
俺の言葉に何か危機感を感じたのか、じりじりと後退し始める。
当然というか逃げられると捕まえたくなるもので。
「きゃうっ!?」
ドサッ
逃げるなまえの腕を掴み、あまり広くはないソファーに押し倒してやった。
「だ…、だあ、くっ」
うろたえるなまえに喉で笑い、これからどうしてやろうかと舌なめずりをした。
狼くんと兎ちゃん
(それが男の性ってもんだ)