台所でお菓子を焼いているなまえを、リンクがじぃっと机に突っ伏して見ている。
そんなにお菓子が待ち遠しいのか。
しかしこのままでは体に穴でも開きそうだ。

「…リンク」
「んー?」
「じーっと見るのやめてほしいんだけど…」
「や、なんかさー……………」
「?」

やけに間が長いな。
そう思っていると、ガタリと椅子を立って近づいてくる気配。
そして後ろからにゅっと腕が伸びてきて抱き締められた。
けれど火を使っているので目ははなせない。

「なあに?」

そう問いかけても抱き締められたまま「んー」と間延びした返事がくるばかりだ。
すると突然、


ちゅっ

「ひゃっ!」


うなじに口付けられた。
思わず体をびくりと震わせる。

「ちょ、リン、クっ」
「ん」
「なにして……!」

今度は腰に回された手を、体のラインをなぞるように撫でられた。

「なんか、」
「う、ん」
「よくわかんないけど、さわりたいって思って」

無意識なのか、腰を撫でていた手は段々と足や胸の下にまで行動範囲を広げている。

「からだ、あついし」

背中に触れるリンクの体は確かに熱を持っていて熱く、耳元で聞こえる吐息もどこか余裕がない。
けれどリンクは体を服の上からまさぐるだけでそれ以上のことはしてこなかった。
やはりと言うかリンクの熱は当然冷めやらずに、ただ二人共もどかしさをつのらせる。

「なまえどうしよう…オレなんか変だ」

消える気配のない熱と触れたいという気持ちに、リンクが不安げな声をあげた。
そうだ、彼は背は高いしぱっと見れば大人だけど、心や知識は子供のままなんだ。
当然そういうことの経験もなければ知識もない。

なまえはくるりとリンクに向くとリンクの首に腕をまわした。

「変じゃないよ」
「でもさっきからずっと熱がおさまらないんだ」
「それなら」

ちゅ

触れるだけのキスをする。

「熱がおさまるまで…す、すきに触ればいいよ」

顔が真っ赤になるのがわかって少しうつむく。
すると顔をあげさせられて、ペロリと唇を舐められた。









好奇心に触れる










(あれ何の匂い?)(あああああ焦げてる焦げてる!)