「それでね?」

なまえが楽しそうに隣に座るリンクに話を聞かせている。
リンクはそれを笑顔で応えつつも、内心ではすごくドキドキしていた。

(ち、近…!)

決して狭くはないソファーに座っているが、お互いの肩と腕は常に触れ、なまえが体を使って話すと体がぎゅうぎゅうとくっつく。
恋人同士なので何ひとつ問題はない、のだが。


(どうしよう…!!)


恋愛経験が少なく、キスも数えるほどしかしたことがない。
今この状況でリンクはどうすればいいのか混乱していた。

(手を繋げばいいのか、それとも腕を回す………どこに!)

リンクが心の中でうんうん唸っていると、


「もー!リンク聞いてる?」
「っわ!」


ひょこりとなまえがリンクの顔を覗き込んだ。

「もーさっきからそわそわして!なに?」
「え、あ、いやその…」

リンクがしどろもどろに応えると、なまえはさらに顔を近付けてくる。
リンクは顔が赤くなるのを感じ、このまま羞恥で死ねるのではないかと思った。

「………ぷっ」
「?」

不意になまえが吹き出した。


「リンク、顔まっか」
「!!」


クスクスとなまえは笑い、それにまた更に体が暑くなる。
しかしリンクは笑う彼女を見てふと気が付いた。

「なまえも顔赤いじゃん」

リンクが言えばなまえははにかんで言った。

「そりゃそうだよ。好きな人と一緒にいて意識しないほうがおかしいじゃん」
「!」

ぎゅ、と手を握られる。
なんだかくやしい気持ちになったので、とりあえずなまえを抱き締めることにした。










ボーダーラインはまだ先










(そしたら彼女は幸せそうに笑うんだ)