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愚か者。



何が「一人で何でもしちゃうんだ」だ。

木の一本も折ることしかできず、他のポケモンを威嚇してはならないと綺麗事ばかり並べ、折節に散りばめられたヒントにも気が付かずただ時間を無駄に過ごして――――

何もできずにただ見ているだけ。

せめて無力であることを自覚し、分相応に振る舞っていれば良かったのだ。
他人の問題は他人の問題として私などが首を突っ込むべきでは無かったのだ。

よく考えてみれば、警察――自警の為の団体などがあるはずだろうに。
何故そこに思い至らなかったのか、考えて見れば……きっと私は。

私は心の底でこの状況を楽しんでいたのではないか。

明らかな非日常に浮き足立ち……アンダーグラウンドな世界に触れ、自分なら何でも乗り越えて行けるのだと明確に意識することはなくとも、それでもきっと…自分の力を過信していた。



私は、大馬鹿者、だ。


何もできない……愚か者だ


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