2
「────ッ!!!!」
びくんっ!!
掛け布団を勢い良く蹴り上げて、思わず跳ね起きた。
「………ッ…───アッ………はっ…あ……あー……あっあっあっ……」
叫んで、叫んで、ひとしきり出しきって。そしてようやく肺に取り込んだ冷たい空気に、徐々に意識が覚醒する。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ………ぜぇーっ、ぜえーっ、………はぁ……」
夢の中のようなぬばたまの闇ではなく、あくまで現実的な夜の部屋の闇の中。
ちらり、いつもの癖で確認した壁時計の針が指している時間を確認した時、顎を伝った汗が、ぽたりと自分の太股に落ちた。
午前2時。まだ真夜中も真夜中だ。
汗にまみれているのは何も顔だけに限った話ではない。
背中は得体の知れない汗でぐっしょりと濡れているし、鳥肌も全身に粟立っている。この様子ではシーツはびしょびしょになっているに違いないだろう。
どうにも最近、夢見が悪い。
「………はぁ。」
全く、シーツ今日変えたばっかりだったのにな。
げんなりとする頭を軽く振り、ベッドから立ち上がった。全身が汗で冷えきって、べたべたしている。まとわる不快感。
このままでは到底再び眠ることなんて出来ないだろう。シャワーで流して、暖めればまた眠れるだろうか。
踏みしめた床がぎしりと音を立てる。
[←] BACK [→]