「マサキって教えるのやっぱり上手だよね」
「お前の頭が真っ白だからやりゃあ入るだけじゃん」
「うわ…あっでも天馬くんたちも言ってたよ?マサキ教えるのうまいって」

そう笑いながら話す名前をかわいいな、と思う反面天馬くんとかのことで笑ってんだなー、と思うといい気がしない。やっぱり俺は今のままじゃ嫌だ、って欲張りかもしんないけどこういう時に思ってしまう。
ああもうもっと前に、言ってしまえばよかったのに。言えねえから今もこんなんなのはわかってるけど。

「ねー、私のはもう大丈夫だからさ、なんかお礼させて?」
「飽きたの間違いな」
「違うもんもう私覚えたもん」
「まじで?んじゃー…」

あー…柄にもなく名前がすきですきでしょうがないんだ。急に、思った。とまんね。あーあ困る、思っても遅いことに気づくのはそれこそ遅過ぎたんだ。
俺はプリントの裏に英文を書いた。俺はお前がすきだ。お前は?の簡単な英文。それの意味を教えてくんね、そう伝えた。

「なになに…私は、あな、マサキこれ」
「本当だからな、」
「…私!先に帰るね、今日は本当にありがと」

ごめん。少し考えさせて。そんな風に考えたことないから、俯いて言った後そそくさと名前は教室を後にした。

言わなきゃよかった。後悔だけが浮かんで名前が立ち上がった後の椅子を乱暴に蹴って机に押し込めた。




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