学校いろよ、マサキが言ったから教室でずっと待ってるのにマサキは来ない。まだかなー、本当にわかんないんだけどな、という思いも虚しくなかなかマサキは教室に来なかった。
あるのは先生に閉めてけよと言われ残された教室の鍵とちんぷんかんぷんないくらかの問題。

「マサキのばかー…」

ぼやいた声はただ空を舞う。なんかもう既にやる気が起きないというかなんというか。けど折角残ってくれるって言ってたんだからちゃんと待たなきゃだね。頑張れ私、そう心で呟いてぐっと右手でガッツポーズ。

「悪りー長引い、は?」

ガラッと扉が開いてマサキが入ってくる。もちろん私はガッツポーズのま、ま。うわ、見られた恥ずかしい。
んだよそれ、笑いはじめるマサキ。や、私恥ずかしいんだからそんなに笑わないでよもう。けど教えてもらうんだから、我慢、我慢。
「はいはいマサキせんせー、授業お願いしまーす」
「腹いてーっつの!で?何がわかんねーの」
「残ってるやつ全部!」
「…うえ、全部手つけてねえし」

憎まれ口を叩きながらも丁寧に教えてくれるからわかりやすくて授業なんかよりもハッキリ言って勉強するのが楽しかった。
そのせいもあってか、この後なにが起ころうかも全然そんなのわからなかったんだ。





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テーマ「人外ファンタジー」
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