いつもと変わらない学校の昼下がり、いつもと変わらないクラス風景、いつもと変わらない課題の山。平々凡々を絵に描いたような日々。だからこれもいつも通り。
今日提出の課題の数学プリント。これから三限までに写さなきゃならない。から。私の救世主に頼むのが恒例。

「マーサキ!数「いい加減にしろよお前はー…おら、さっさと返せ」
「さっすがマサキ様!」
「今度なんか奢れよな」
「もちでーす」

ああもうカミサママサキ様!
たぶんこんなやさしい家族がいる人ってそうそう居ないよね!なんて思いながらその場でガリガリ写す。迷惑そうにしながらも机を空けてくれるそんな居心地の良さも覚えながら。






いつもと変わらない学校の昼下がり、いつもと変わらないクラス風景、いつもと変わらない課題の山。そんで、いつもと変わらない関係。
でも、はっきりいって俺も年相応な男なわけで。やっぱりそりゃ、すきなヤツ、くらいはいたりする。
ただやっかいなことに名前と俺は普通に仲がいい。のかわかんねえけど。晴兄が言うには早くくっついちまえって言うけど俺からしたらそうなれるならとっくになってるっつの!って感覚。
学校でも、クラスでも、園でも一緒。
だから踏み出そうにも踏み出せるわけないし、その上あからさまにそういうことに疎そうなところがむかつく。困るを越えて。

「マーサキ!数「いい加減にしろよお前はー…おら、さっさと返せ」
「さっすがマサキ様!」
「今度なんか奢れよな」
「もちでーす」

嘘、別に奢りなんて期待してない。ただそうやって俺を頼ったりしてくれたり笑って喜んでくれたりしてくれんのが嬉しいだけ。結構重症。しいて言えばわざわざ学校でギリギリでやんねえで園で言えばいいものをって思う。むかつく。むかつくついでにたぶん名前は、やさしい家族がいるって幸せ!とかいうまたよく分からない考えをしてるんだろうなあ、と思うと微妙な溜め息がもれた。
めんどくさい。嬉しい。悔しい。



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -