インターハイ一日目が終わり、明日の作戦会議をする。相変わらず仕切る御堂筋はどのチームは落ちるだの、どのチームを仕切るだの、極めつけは総北はバラける、総北は敵じゃない、わざわざホワイトボードでもチームメイトでもなく私を見て言った。心底嫌なやつ。
終わったならさっさとこの部屋からは出たい、が。それは背に向けたはずの御堂筋がうねり、目の前を塞いだことによって叶わなかった。睨みつけでもすれば悪態をついて離れるだろうとそうすれば歪ませるどころか目も口も至極楽しそうにして御堂筋は言った。

「見れてよかったなぁ…愛しの弱泉くん?」
「ソレ、関係ないでしょ」
「なんで?休憩時間に雑談したらアカンの?なんでなん?会いたなるから?」
「…私マッサージ回るから」

脇に空いた隙間から出てやろうと上体を捻らせたが、その時下がった右腕を器用に掴んで御堂筋は「あかんやろ」と言いながらぎりぎり力を込める。

「熱心なマネージャーがエース後回しかいな」
「ならさっさと寝てよ」

するから、と床を指したがはあと盛大に嫌味たらしく溜め息を吐かれる。

「随分偉そやね?誰のお陰で弱泉くん会えた思とるん?ボクやろ」
「……頼んでない、でしょ」
「ケド選んだのは名前や。弱泉くんに会いたいーけど進む学校わかれへんしどこならインハイ出れるかもわかれへんーって!そもそも弱泉くぅんがインハイ出れるかわからんのに!恋は盲目ゥって…ちょお、キモい目ぇで見んといて弱泉くんみたいや。あ、嬉しい?お揃い嬉しいんや!?キモいわ」

なんでここまで言われないといけないんだ。私が何かしたのか、今泉くんが何かしたのか。私は御堂筋のしたことを御堂筋の口からしか聞いていなかったけど、あれは全部御堂筋がけしかけたことじゃないか。

「今泉くんは!弱くなんか」

まくし立てられてついカッとなり、反論してしまう。名前まで出して。これでは御堂筋の思うつぼだと言葉尻をぐっと堪えればかかった、と言わんばかりでニヤリと御堂筋が笑う。
笑ったと思えば煙たいものを見るように眉をしかめ「庇うんかホンマにキモいわぁ…必死にキミが庇った弱泉くんはキミのこと睨んでたで?なんでやろな?嫌いなんやないのー」言動すべてで詰め寄る。

「それはっ……ここが、京伏が、アンタのいる学校だから、」
「プッまた人のせいかいな」
「…っ」
「会えればイイいうキミと違うて近く居る為なら何でもするで?ボクなら。前にも言ったやろ。せやから」

うねり、回り込んだときと同じで腰をかくっと曲げ、頭の横にずい、と並べられ、御堂筋は吐き捨てた。前?忘れたよ。だって意味が全くわからないから。

「ボクにしとき?」






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