惚れてしまったが情けに徐々に彼女の性癖にも慣れてきてしまった。甘んじて慣れた、だけであって理解しようとも寛容になろうともさしあたって思いはしないが。
軽度なそれはいくらか聞くし、俺にだってないわけじゃない。一つや二つあるし、それくらいならいいのにあいつのそれは無駄に多く(細かく、だろうか)かつ異常なまでの拘りを見せる。
我慢してるが故の結果だろうがあいつも人が悪い、告白しました、OKしました、それから言った言葉が「手、見せて貰ってもいいですか?」だった。「いいけど、なんで」おおかた繋ぎたいのか、積極的なんだな……なんて考えは消える。手相を見るとか、そんなんでもない。王子が姫の手をとるようにしてはあとため息をつき、心なしか輝いた瞳を俺に向けて「やっぱり、小指の爪だけ長めなんですね……!」確実に、そう言った。



ここで放置してあった


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