くらくらする。連日頭痛が止まなくて、どうしてだろうと考える。そういえば最近熱っぽくてぼーっとしたりするし、なんか動悸も、少し。……風邪じゃん。
「せーんぱい」
ああ嫌な声が聞こえる、どうしてこう毎日懲りずに教室までやってくるのか。そして私の席は廊下にちかいのか。
「狩屋あんた風邪移したでしょどうしてくれんの」
「名前せんぱい風邪ひいたんです?」
「わっざとらしい…あんたとしか喋ってないんだから」
「へえ、学校に来てりゃいくらでも他の人から貰うと思いますけどね」
てゆうかせんぱい友達居なすぎなんじゃあとか言い出して笑うこいつはもはや後輩でもなんでもないかわいくないしかも風邪移し、あれ、こいつ風邪ひいてたっけ。
「……あんた風邪ひいてたっけ」
「だからおれじゃないですって」
「じゃあなんで」
夜寝れなくて毎朝頭が痛くなったり急にあっつくなったりほうけたりするのが多くなったり動悸がしたりだとか、すんの。そう言うがはやいか狩屋は口の端っこあげて楽しそうにむかつく顔をして「あぁそれなら治しかた知ってますよ」近い。頭に顔近づけてきて、なに、ぞっとするから。
「おれのこと、だいすきなんですね。名前せんぱいは」
「…は、なに、ばか言って」
殴ろうとした私の手は空を切って目標物はひょいと廊下へ逃げた。動いたから頭痛い。むかつく。こいつも、私のばくばくいってるのも、そいでまた近づいてきて「まあ悪化もさせられますけど?」ふざけたこと抜かすこいつがやっぱり、むかつく。