光る、鳴る、その頻度の多いことといったら酷いもので、視覚情報と聴覚情報の間の間隔が短い。雨だからと屋内で練習していたからか終わるまで誰も気づかないで、外を見た監督が驚いた。そして「外は酷い雷だ、無事に帰れそうにないやつは暫く残れ。無理に帰っちゃいけない」告げた。
一番穏やかそうに電話をかけていた神童は内心震えていたと思う、しばらくして着いた長い車に帰り道の同じ部員をつれて帰って行った。
雨だけが目立ち始めた一瞬に家の近いという三国先輩や天馬くんたちなんかも帰って行った。
どんどんと人が減って行くなか、私の被る毛布を笑う声がする。

「あのー苗字先輩、雷怖いんですか?」
「見ればわか、ひいっ…ばかにするならほっといてよ」

いつもなら聞き分けよく放るくせに狩屋は離れずにむすっとした顔をして「心外」言って、毛布の覆った私の耳の辺りをぎゅっと押さえて「……ら、い…すよ?」喋った、のはわかったけど何て言っているのかわからない。

「え?何て、」
「だから」

そう口が動いたと思ったら顔が近づいて「こうしたら怖くねえって言いに来たんだよ!」そうハッキリ言った狩屋を見たら顔をあげるどころかふいっと逸らされてしまって、その上余計に強く押さえるから雷どころかそのあと何か話してた影山くんと狩屋のやりとりも聞けずじまいだった。代わりに聞こえて来たのが早まる心音だったのは雷のせいか、それとも。






「狩屋くんずっと名前先輩のこと気にしてたもんね」
「バッ、ちげえよ!いつも下のやつがこうなってるから、ついやっちまっただけで…!」





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -