戦闘系審神者

ザシュ、と刃がめり込む音がして、血飛沫が飛び上がる。主殿、そう叫びかけた鶴丸は、目の前の光景にハッと息を飲んだ。ドクドクと大量の血を流して倒れたのは自分の主ではなく、自分達よっぽど練度の強いであろう歴史修正主義者共であった。

「弱いな、」

そう嗤いながら真っ赤に染まった巫女装束から懐紙を取り出した主は、丁寧な手つきで刀についた血を拭い、鞘に収める。同時に、刀に戻っていた一期一振が顕現した。

「お疲れ様です、主殿」
「あぁ、」

そばに控えるようにして主の隣にたった一期一振は、唖然として立ち尽くしているこちらを振り返って笑う。

「これがうちの本丸ですから」
「守られてばっかは性ではない」

そう不満そうにこぼした主の前に、第二波であろうか、再び歴史修正主義者が躍り出る。それを見てきゅっ、と顔の表情を引き締めた主は手伸ばす。そこに恭しく自分の本体を主に渡した一期一振が、恍惚とした表情で自分の主を見つめ、跪き、手の甲に唇を寄せた。

「絶対の忠誠を我が主に」
「行くぞ、一期」
「はい、主殿」

しゃきん、と再び刀が抜かれる音がした。淡く水色かかった髪の毛をなびかせて、主は嗤った。