1

黒子の隣にいた女子の正体は、夏休みが明けてすぐ、分かった。
「みなさん、始めまして。マネージャーをやらせていただきます。1年B組の奥宮菜穂です。夏休み前までアメリカに住んでいました。中学では二年まで帝光でやっていました。よろしくお願いします」
女子部員、しかも強豪校の元マネージャーを獲得できて気分上々なリコは、鼻歌を歌いながら本日の(地獄の)メニューを組んでいた。そのリコに聞こえないように、千夏は声を潜めた。
「料理は一通りできますので、ご安心くださいね」
突如、体育館に歓声が響いた。
何事かと寄ってきたリコは、あることを思い出した。
「じゃあ、黒子くんの言っていた誠凛に入ってくる予定の同中の子って、菜穂ちゃんのことだったのね」
「まぁ、そうですね」

prev / next

←back