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帰り道。
歩道橋を歩いていた菜穂と日向と黒子は突然立ち止まった火神を不思議に思った。
「どうしたんですか?火神くん」
「キャプテン」
「ん」
「聞いていいすか」
「あ?」
「あれ、どういう意味すか」
少し躊躇い、口を開く。
「木吉先輩が、今年で最後って」
「「え、」」
「あっ…」
クラクションが鳴る。
信号が赤になる。
人が、歩き始める。
全部まるで、スローモーション。
ガシガシと日向は頭を掻いた。
「そうか、聞いていたのか…しょうがねーな…」
まぁ、あの調子じゃ、いずれお前らにもバレてたか…
そうだな、どうせならこの機会に全部話しとくか…
あれは、去年の夏のことだ。

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