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試合終了を告げるブザーが鳴り、弾かれたボールは、コロコロとコートを転がった。
観客がざわめく。
誠凛対秀徳。スコア、104-104。
「同点…じゃあ延長戦?」
驚いた顔で、黄瀬が言う。
同じような顔をした桃井が答える。
「普通なら、そうだけど…今大会は時間短縮の関係で延長戦の規定はないの」
「ってことは…」

「引き分け…」
呆然とリコが言う。
「ですね…でも、」
その一言を聞いた菜穂は呆然としていたが、頬を緩めた。

「いい試合だったね〜」
「ッスね」
桃井と黄瀬も笑う。
「いい試合過ぎて、俺、今物凄くバスケしたいッス!」

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