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誠凛対丞成の試合は、106対64で幕を閉じた。
整列して、礼をする両校を見て、試合を見に来ていた今吉は、ニタリと笑った。
「このウィンターカップ、荒れるで」
静かなつぶやきは、観客の歓声に飲み込まれた。
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秀徳高校、決勝リーグ進出。
泉真館高校、決勝リーグ進出。
霧崎第一高校、決勝リーグ進出。
ウィンターカップ、東京代表二校を決める決して、その出場校四校が出そろった。
「泣いても笑っても、後が三試合」
小金井がそうしみじみと言うと、降旗が河原の持っていたトーナメント表を覗き込んだ。
「ウィンターカップ予選なんて、あっという間ですね」
「なーに言ってんだダァホ」
「え、」
「逆だ、やっとだろうが」
厳しい表情のリコが振り返った。
「もう忘れたの?予選に出られるのは夏の戦いで300以上の学校から勝ち残った上位8校のみ。言い換えれば、ウィンターカップ予選っていうのは、インターハイ予選と同時に始まったってこと。つまり、夏から続く最も長い予選なのよ!」
まぁ、つまりあれだ。
日向は前を見据えたまま、力強く言い放った。
「決勝リーグの初戦の相手は泉真館。今まで二度も負けた相手だ。かならずかつぞ!」
『おう!』
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