2

『ちーす!』
そう挨拶して、体育館に踏み入れた瞬間、「テツくーん!」と何処かで聞いた事があるような声が近づいてきた。桃井だ。
くっ、くまさんがっ!なんて木吉の言葉さえ聞こえずに未だ突進をやめない桃井。手を伸ばして、抱きつこうとした瞬間。
「あれ、さっき…なんで?」
聞いたことのない声が体育館に響いた。
その声にリコは首を傾げるが、桃井にはどうやら聞き馴染んでいるらしく、声を聞こえて瞬間、声の方へ思いっきり抱きついた。
「菜穂ちゃーん!おかえりー!!会いたかったよぉ〜!!!」
「あー、はいはい」

prev / next

←back