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- ナノ -
0104 17:27



デフォ名 青葉 
モブ友人(女)がでてきます。





「お、青葉おはようさん。珍しく早いなぁ」
「おはよ。今日は目が冴えちゃって。一番乗り!」

「白石こそどうしたの。朝練は?」
「今から行くで。忘れ物取りに寄っただけや」
「ふぅん」

「あー!白石朝練サボってデートか?」
「朝練の時間今からなの知っとるやろ」
「〇〇くんおはよ。バスケ部も朝練今から?」
「小笠原さん早いやん。テニス部見に行くん?」
「え、いや、そんな予定ない」
「白石とか謙也見に行くくらいならバスケ見に来てーや」
「くらいって何やねん……」
「日直だから早く来ただけ。早すぎちゃった」
「ならホンマにウチの部見に来てーや!大会前やからゲーム練やるし、カッコええとこ見せたるで!」

「朝練前に小笠原さんに会えてめっちゃラッキーやわ、謙也に自慢したろ」
「やめとき、アイツへこむで」
「やだ、教室一番乗りじゃなかったからって落ち込まれても困っちゃうよ」
「そういうんとちゃうけどな」


彼女はあまり目立たない。
友達がいないわけじゃない。教室ではいつもニコニコ楽しそうに弁当をつついているし、極端に引っ込み思案なわけでもないから人前で話すことも苦ではないように見える。
おそらくこのクラスの誰に聞いても「小笠原さんは優しい人」と評価をするに違いない。ただし、もう一言付け加わるかもしれないが。

「あ。忍足くん、消しゴム落ちてる」
「ホンマや。おおきに」
「いーえ」

声音は明るいのに、愛想がないわけでないのに。
何考えてるかわからない、ちょっと不思議なひと。

「ね、白石、ノート職員室に持ってくからちょうだい」
「あ、忘れとった。堪忍な、青葉」
「いーえ。他の人のついでだし」

「自分ら、そない仲良かったん?」
「何で?」
「いや、その、白石が名前で呼んどったから」
「あー、いつからだっけ」
「あれや、同じクラスに小笠原が2人おった時ちゃう?」
「じゃあ、一年生の時?」

何だか2人が遠く感じて、少し焦る


「青葉って、白石くんとあんま仲良くないん?」
「え?そんなことないよ。フツーじゃない?」
「同じ部活やけど、そんな話してへんし、何や用事あっても他人行儀やんか」
「そう言われると、そうかなあ……気を遣ってくれているのかな」
「他の女の子に目ぇ付けられんように?」
「2年の時にそんな話した記憶があるから、多分……」
「へえ。白石くん優しいなあ」
「まあほら、言うて教室で話さなくても部活の時に話せば事足りるしねえ」
「マネも大変やなあ」
「たまに女子テニス部のマネージャーの方が良かったかもって思うことあるよ。バレンタインデーの時とか、ホワイトデーの時とか」
「部室の前えらいことなっとるな、毎年。でもホワイトデーの時はそこまでじゃないやろ?」
「んー、白石とか財前とかにチョコ渡した子がね、ワンチャンあるかもって出待ちに来たりとか、そう言うのが結構あって」
「あ、去年なんか人集まってたのってそれなん?」
「そ。すごいの。あの日ばかりは部活ばっくれて帰ろうかと思った」

「あ、青葉さん」
「わ。財前珍し」
「話しとるとこすんません。部長どこおるか知りませんか」
「白石?ちょっと待ってね」
「青葉、白石おれへんよ」
「え、まじ?……ねえ謙也あ!」
「青葉?お、財前までどないしたん」
「白石どこいるか知らない?」
「白石?さっき、オサムちゃんに用があったん忘れとったー言うて職員室行ったで」
「あー、それなら良いっすわ。俺も部長呼んでこい言われただけなんで」

青葉さんありがとうございましたと言い残して去る財前の背中を唖然として見つめる。

「なんか、さも当然かのようにけん……忍足のことスルーしていったんやけど」
「……まあ、いつものことだから気にしないで」

「男子ってみんな、忍足のこと『謙也』って呼ぶやん。たまに移ってまうわ」
「俺の従兄弟とも顔見知りやから、区別するために言っとるんちゃう?」
「私は白石達のが移った」
「そうなん?」
「正しくは、白石と小石川があんまりにも『謙也』って言うもんだから、態々忍足って変換するのがダルくなった」
「言い方ちょおひどない?」
「ボケたんだよ。突っ込んでよ」
「お前のボケわかりにくいねん……」
「どこがボケやったんか私にもわからんわ……」
「辛辣ですね二人とも」

「私暫く、忍足と青葉は付き合ってる思っててん」
「っっえ!?」
「え。そんな反応されるとちょっと傷つくんですけど」
「え、いや、嫌とかちゃうねん……ゲホ、ゴホッ」
「大丈夫?食べたもの吐かないでよ」
「そん時は青葉の膝の上に吐いたるわ」
「やめてよ。そしたら卒業まで口きかないから」

「それよ」
「え?」
「忍足は大体一言目には『白石ぃ!』言うてんけど、『青葉ぁ』って情けない声で呼ぶんもむっちゃ多いねん」
「情けない言うなや……」「今まさにそうやんか」
「ていうか真似が無駄に似てる……」
「他にも思うとる子結構おるで。私良く聞かれるし」
「へーえ。謙也良かったね、隠れファンがいるんじゃん?」
「んー、女の子もやけど、男子からも聞かれるで。青葉もスミに置けへんなあ」
「ホ、ホンマか!?っゲホ、っ」
「ちょっと、ほんとに具合悪いんじゃない?今日部活どーすんの?」
「ま、慣れてきたらお姉ちゃんと弟にしか見えへんわ」




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