薄っすらと目を開ければ、眩しすぎる日差しが瞳孔に入ってきて思わずまた目を瞑った。
「――暑い」
季節はもう夏。窓からは熱気と日差しが降り注ぐ。
全開にした窓を背にするように椅子を置き、頭を窓の縁に乗せて爽やかな風を感じた。
風に揺れる髪は金色。ルークである。
「まったく、ルーク!いい加減仕事なさい!」
ルークの耳にナイトの声は届いているが、理解までする頭は残ってはいなかった。
ぼーっと青い空を眺めて、流れる雲を目で追いかけて、自由に飛ぶ鳥に思いを馳せるだけ。
「暑い……死んでまうわ」
大して考えもなくポツリと呟く。乾いた溜息がルークの口から漏れた。
半開きになった口に突然冷たいものが突っ込まれた。
「ふごっ!?」
思い切り顔を窓から戻すと、悪戯な笑みを浮かべたビショップが水色のキャンディバーアイスを持って立っている。
(そういや口ン中……ソーダの味する)
「先生……なんでまたアイスなんか」
「さっきまで外で仕事でなー。報告に行ったらナイトが怒ってたぞ」
口に突っ込まれたアイスをかじりながら、「やってもた」等と暑さでとろけた頭の片隅で考えた。
ビショップはガタガタと小さなテーブルを窓のそばまで引っ張ると、テーブルの上に腰掛ける。
ルークは再びゆっくりと窓の縁に頭を置いた。
「おいおい、これ食ったら仕事だぞ」
「――鳥ってほんま自由やんな」
苦笑しながら落とした視線をルークへと遣る。
ぼーっとしている彼の感情の表れない表情は珍しく、ムードメーカーな彼を思わせない。
「自由、か」
小さく溜息をついて、ビショップはルークを呼んだ。
ルークは空からビショップに視線を戻すと、「ん?」と力なく微笑む。
「自由はいい。一人で好きなことを好きなだけできる」
カタンと音を立て、ビショップはテーブルから腰をあげた。
「だが何があっても一人だ。嬉しいことも、悲しいことも、全部独りで背負う」
なぁ、ルーク。周りを見ろよ。
俺もキングもナイトも他の奴等だっている。
みんなお前の喜びも悲しみも背負える仲間だろ?
他に何が欲しいっていうんだ
100409
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青春すぎるwwwwwww