02




「もう!ビショップったら、なんでバラしちゃうのよ!」
「いや男として哀れになったと言うかなんと言うか……」

引き攣りそうになる顔を何とか笑顔に保つ先生。
さっきのクイーンにはさすがに気付かんかったわ。
クイーンに背を向けてるのをいいことに、俺は顔を引き攣らせていた。
とりあえず一番心配なんはポーンや。

「ポーン、お前大丈夫か?」
「ルークさ……、僕は大丈夫ですっ……!」
「まったく、しっかりせな。あの二人にやり返す勢いでな」

(だってお前は俺の――……)

そこで俺は考えることをやめた。
とりあえず先生にポーンの怪我の手当てをしてくると言って、ポーンと共に広間から出て行った。






「で、だ。今度はどうしたんだ?」

溜息混じりにそう聞く先生の姿に、申し訳ないという気持ちが湧き上がってくる。
が、わたしの隣にいる男の姿を見るとどうしても腹立たしさの方が勝ってしまうのだ。

「別に。お前にゃ関係ねぇし、聞かれる筋合いもねぇよ」

キングはいつものようにあしらって広間から出て行ってしまった。
「うちのキングは思春期かー?」などと呆れたようにキングが出て行った扉を見つめる。
先生には申し訳ないことをした。先生には
先生以外は正直どうでもいい。(特にキングとポーンは)

彼、ビショップは『先生』と呼ばれて慕われている。
それは彼が武術を教えているからだ。
今はナイトだが、わたしが新人だったときも随分お世話になった。
役職はわたしの方が上回ってしまったが、今でも彼のことは尊敬している。

「お前らさ……なんでそんな喧嘩するんだよ。なんかあったのか?」
「いや、ないです」
「…………は?」

怪訝な顔をされた。何かおかしなことを言っただろうか。
首を傾げると、「本当に何もないのか?」と再び問うてきた。

「はい、何もないですけど」
「え……じ、じゃあなんであんなに毎日喧嘩して……?」

答えは1つに決まってるじゃないか。
だが、先生は心底不思議そうにしている。
そんなの――……

キャラが被ってるからに決まってるでしょう




常識ある奴が来い

100331

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