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外は快晴、気分も極めて良好。
ビショップは大きく伸びをして小鳥の囀りと共に、一日の始まりを感じた。




「あ、先生おはようさん」
部屋から出てまず顔を合わせたのはルーク。
明るい髪色と同じように彼の性格も明るい。

「よう、ルーク。早いな」

そう言ってやれば困ったような笑顔が返ってきた。
理由を聞くと、朝からキングとナイトがまた喧嘩をしていて目が覚めたらしい。
そう言えば怒声やら暴言やら聞こえてくる。

「まったく、結局は仲良いんだから最初から仲良くしとけっつの」
「はは、まったくやね」

二人で苦笑しつつ、声の聞こえる広間へ向かった。
広間の扉は開いており、閉めていても聞こえるであろう喧嘩の様子を城内に響き渡らせている。
扉のすぐそばには何故かボロボロになったポーンが泣きそうになりながら……訂正。泣きながら立ち尽くしていた。

「ビショップ、さん……ル、ルークさん……おはようッ、ございます」
「おはようさん。またあの二人にやられたんかいな」

そう言われると、ポーンは困ったように二人を見上げた。
あの二人を責めないでほしいのだろう。
その視線の意味に気付いた俺とルークは溜息をついた。

(真性のドMだな、これは)

俺はそう思うと、先が思いやられた。
もう一つ深い溜息をついて、目の前で繰り広げられている喧嘩、否殺し合いを止めに入る。

「はいはい、お二人さんそこまで。ナイトは剣しまえ、キングはその毒は何処から手に入れたんだまったく」
「先生……!」
「あァ!?止めんじゃねーよビショップ!」

はっとしたようにこちらを見るナイトとは反対に、キングは不機嫌を隠そうともしない。
「あのなぁ……」と三回目の大きな溜息をついて頭を掻く。
そして二人をちょいちょいと手招いて近くに呼んだ。
渋々近づいてきた二人に、俺は紛れもない真実を教えてやった。


「そこの窓の影からクイーンが嬉しそうにヨダレ垂らして見てるぞ」




これが僕らの日常

100331

……………………
さすがクイーン。
ポーンが真性のドMなら君は真性の腐女子だ。



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