「お前、お前一体何しに来たんや……!」
そうナイトに問えば、鋭く光る紅がこちらに向いた。
今まで敵に見せてたその目の矛先が自分であることに違和感を感じて、今更ながらに自分のやってしまった重さを痛感した。
いや、でも、もう過去には戻れん。
「何しに来た?よくもそんな口が叩けたもんですね、ルーク」
ああ、この目は怒ってるんか。
暢気にそんなこと思いながら、俺はその場に突っ立ってることしかできへんかった。
「まったく、別件で動いていたのに何故関わりのない貴方が此処にいるんですかねぇ。なんですか?まさか貴方が一番憎んでいた海賊にでも成り下がるつもりだったんですかねぇ?馬鹿馬鹿しいというか何と言うか……その頭には何が詰まってるんですか?鳥頭なんですか?」
「おい騎士さんよ、俺が言うのもなんだが其処までにしてやらねェとこっちの兄ちゃん精神的にヤバイことになってんぞ」
ふと周りを見ていた視線をルークにやれば崩れ落ちていた。ざまぁ。おっと、これは失礼。
それにしても、少し前からキングにこの海賊共の動向を調べるように言われたのですが、これは運命というか何というか。
もしかしてあの人は解っていたのかもしれない。
否、あの人のことだから単に海賊に警戒したとも思えないので解っていたのだろう。
海賊如きに恐れるような男でもない。
毎度毎度、あの人は本当にわからないもんですね。
わからないが、これだけはわかる。聡明で、馬鹿かと思うほどに俺様ってこと。
さて。これからどうしましょうか。どうせウチの連中は此処に向かっているんでしょうが。
「ルーク。そんなところでキノコ生やしてないでさっさと立ってください。でないとまず貴方から処分しますよ」
そう脅せば、言い終わらないうちにルークは立った。心なしか顔色は悪い。
わたしはふっと笑みを零して、ルークを見据えた。
「貴方が立つべき場所は、こんな陳腐な場所じゃあないでしょう?」
君の立つ場所
110226
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優しいナイトさんとかきもちわるい