04




「海賊の子……やて?俺が……?」
「間違いない」

キングはパサリと投げるようにして書類をテーブルの上に置いた。

「呪いについてもある程度わかった。
 お前と弟、つまりポーンに呪いの印があることから、恐らく呪いは遺伝だろう。
 父親が奪った宝が神の怒りを買って呪いを受けた。両親は呪いによって死亡。こんなところだろうな」

まだや。
まだ聞きたいことばは聞けてへん。

「解き方は――不明」

そこから、俺の記憶は曖昧になった。






それから丸三日、ルークは一切姿を現さなかった。
ポーンやビショップが何度も俺のところへ言いに来たが、全部追い返した。

「いくら俺が言ったって……あいつは聞きやしねェさ」

初めて、自分の無力さに嫌気がさした。
苛立ちに任せて壁を殴ると、その場にいたファミリーが俺を見るのがわかった。

「どうしたキング。最近荒れてんじゃねぇか」
「黙れ」

自分への苛立ちを人に当ててしまうのは悪い癖。
こんな事態は初めてだから、周りはさぞかし焦っているだろう。

「ビショップ、ポーン。お行きなさい」
「けどクイーン……」
「いいから、行って」

クイーンが俺と彼女以外を外に出したのには少し驚いた。
髪の隙間から彼女を見れば、静かにこちらへ歩いてきている。

「キング」

優しい声で俺を呼んだ。
少し背伸びをして、小さな体で俺を抱きしめる。

「一体何を焦っているの。貴方なら大丈夫よ」

全て悟ったかのような口調に、何故かひどく安心した。
俺の頭と背中にある彼女の手が、愛しく思えた。

「……悪い」

彼女の肩に顔を埋め、細い体を抱きしめるしかできない。
とうの昔に忘れた泣き方を思い出した気がした。






俺の隣に君臨する女性

100523

……………………
クイーンってキングと恋愛的関係にはないけど
お互いが依存まではいかないけど、なくてはならない存在だといい。



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