03




ゴトン、と重い音が真夜中の静けさを引き裂く。
王なだけあって、扉も内装も煌びやかで豪華なものだった。
今まで入室を許されなかった彼の部屋に入った。
いつもなら「綺麗やなー」と純粋に装飾を賞賛するところだが、重々しい空気に包まれて不気味にしか思えない。

「――キング」
「慌てるな。順を追って説明する」

俺の部屋みたいに書類は積みあがってはいないが、かなりの枚数の書類が机の上に置いてあった。
キングは30センチほど積まれた書類を取るのかと思えば、隣の数枚の書類を持って俺の所へ戻ってくる。
目で座れと指示され、大人しくそれに従った。
キングも向かいの席にドサリと音を立てて座ると、足を組んでペラペラと書類を捲り出した。

「俺たちがロイヤルファミリーに召集される前の過去から全て洗ってみた」

キングの真剣な眼差しは正直言って恐い。
目付きがどうのこうのという話ではなく、ただ全て見透かされてまいそうな金と銀の瞳が恐ろしいだけ。

「お前も知っての通り、ロイヤルファミリーは先代がランダムに選んで決定する。
 選ばれたら、持っていた名前、経歴、家族を全て破棄しなければならない」
「ファミリー以前か……懐かしいな」

ペラリとページを捲る音が静かに響く。
出来るだけ王の瞳を見ないようにと、俺は顔を俯かせた。

「お前は父母共にいなかったらしいな。育ててくれたのは……拾った老夫婦か」
「気付いたら俺はあの人らと過ごしてたからな。父さんも母さんも海賊に殺されたて聞かされてたわ」

だから海賊はこの世で一番憎い。俺がよくファミリーのみんなに言うてた言葉。

ふと、ほんまにふと見ただけやった。
射抜くようなオッドアイに、これほど「恐い」と思ったことはなかった。

「単刀直入に言おう」













「お前は海賊の子だ」







隠し切れない過去

100523

……………………
シリアス街道まっしぐら。
キングもルークも真面目なときはかっこいい。



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