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「一体どうなってやがる……」
「いや……わたしにもさっぱり」
「きぃいいいんぐぅううううう!遅いじゃないのよおおおう!!」
「おい誰かこの酔っ払い女を外に放り出せ」

「酷いじゃないのよー!」と叫ぶクイーンの頬はほんのりと赤い。
床に置かれた瓶と、部屋に充満した酒の臭いで大体の展開は把握した。
見渡せばクイーン以外にも、ルークやポーンもいる。
先生は今日は城にはいない。仕事で他国へと行っているのだ。

「どうなされますか、キング」
「どうするもこうするもねェよ。こいつら外に放り出しと、けッ……!?」
「キングつまんなぁあい!あんたも飲みなさいよホラホラぁ!!」

クイーンに胸倉を掴まれたかと思えば引きずられていくキング。
酒瓶を口に突っ込まれ、拒否権の欠片もなく飲まされていた。

「(ご愁傷様です)」

最上級の笑顔をキングに向け、自分はどうするかと頭を働かせる。
まぁ、常識的に考えればこの場はノるか朝まで放っておくかの二択だと思う。
酒は嫌いじゃない(寧ろ好きな方だ)が、この酔っ払い共は品位の欠片もない。
それに混じって飲むのも少々気分が悪い。
そんなことをじっと考えていると、突然腕を引っ張られた。
すごい力だったのでクイーンとポーンを脳内で除外し、残ったルークの名を怒気を含めて叫ぼうとした。
が、視界の端にはルークがいる。クイーンは相も変わらずキングに飲ませ続けている。
信じられない。思わず自分の腕を引く輩を確認した。

「ナイトさぁああん、何突っ立ってんですかぁああああ」
「ポー、ン!?貴方……!」

酒臭い。明らかに酔っ払っている。
それにしても馬鹿力すぎる。普段見せないポーンの力に、改めてスパイなのだと確認させられた。

「ねェナイトさん?僕、ずぅうううっとナイトさんに仕返ししたかったんですよぉ」
「そんなことしたら酷い目見るのは貴方……」
「でもねーナイトさぁん……今は僕の方が優位だと思いますよぉ?」

にっこりと笑ったその笑顔が黒くて、柄にもなく焦りを覚えた。
その瞬間ゴンという鈍い音が聞こえ、その後何かが割れる音がした。
ふらりとポーンが倒れてきて、自分の隣で気絶している。
何が起こったのか把握できなくて、周囲に視線を走らせた。
ルークは撃沈、ポーンも気絶、クイーンは壁にもたれかかって寝ているらしい。
唯一起きていると認識できるキングは、不機嫌そうに窓の下に座っていた。
どうやらキングが酒瓶を投げ、それがポーンの急所に当たって割れたようだ。

「オイコラ」
「……貴方は酒豪でしたね。結構強いの飲まされてたのに素面ですか」
「ンなことどうでもいい」
「何怒ってるんですか」




俺以外にやられそうになってんじゃねェよ

100502

……………………
ヤられそうになってんじゃねry
これ2章じゃねぇ。絶対違ぇ。



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