熱い熱い口づけだった。お互いの体はアルコールで上気し火照っている。
「はぁ、ん……ん、ん……むぅ……ん、は、ふぅ……」
「はっ……強がっていた割にこれだけで降参とか言いいなや」
「あ、ったり前…んっ!」
反論も口づけで塞がれてしまう。どうしてこうなっているんだろう……。あんまり働かない頭で思い返しても意味はなかった。彼とキスをしているなんて、数時間前の自分に教えてやりたい。
「ふぁっ……ん、あ……」
端正な顔立ちからは想像も出来ないくらいの野獣っぷり。かく言う私も、最近ご無沙汰だったのか、いつもより興奮している。
むかつく相手なのにキスがうまいなんて反則……。後頭部に添えられた手は大きくて優しいのが意外だった。夜景の見える高級ホテルの部屋で、相手が彼じゃなければ最高だったのに……。
「考え事か?」
「べつに……」
「えらい余裕やな。それともキスだけじゃもの足らんのか」
「そうじゃなくて、んっ……」
ざりっと首筋を這う舌。味見しながら耳の後ろの方まで移動すると、耳朶をはむっと口に含まれる。
「ひっ、あ……ふぅぅ……」
ぞくりと寒気に近いものが背筋を走る。けど嫌な感じじゃない。気持ちいいって悟られたくなくて声を我慢しようとしたけれど……。
「気持ちええみたいやな」
「やっ……」
耳元で喋られると腰が震えた。
「ははっ……耳弱いんか?」
「ち、が……お酒のせいっ、んっ」
「ふーん、まぁそういうことにしといたろ」
腰に回していた手が服の上からお尻の方へ下がっていく。部屋の玄関先で我慢出来ずにキスをしたのは私のせいじゃない。お酒のせいだ。
普段から酒豪と呼ばれるこの私がここまで酔うのは久しぶり。彼もそれに対抗してきたからきっと強いんだろうけど、さすがにテキーラを二桁分も飲めば酔いはする。
――――ちゅ、ちゅくっ……ちゅ
さっきとは違う優しいキスで耳、首筋、鎖骨へと下りてくる。ときおり舌で舐めるようなキスも交えて後頭部を包んでいた手がボタンを外していく。
――――プチ、プチ……プチ…ちゅ、ちゅ、ちゅうぅ……
その間でもキスを忘れない。これまでどれほどの女を抱いたのかと聞きたくなるほど手際の良さ。
「………」
「なんや?」
「いや、慣れてんなぁって」
「そりゃどうも。ええからこっち集中しぃや……」
いつの間にかもうブラが見えていた。肩紐をずらしてカップ上辺からぷるんとカップをずらされ乳首が丸見えになった。
「やっ…ちょ…」
「なに? やめてとか言わんよな? 勝負するって言うたんは自分やで?」
「わかっ、てる……」
たぶん……。売り言葉に買い言葉で変な勝負に乗ってしまったみたい。けど一ミリも思い出せない。それよりも頭がふわふわしてきて体の力が抜けそう。
――――ちゅぷっ…じゅ、じゅ、ちゅく……ぺろぺろ…
ぷっくり膨らむ乳首を、これまた優しく口と舌で愛撫される。待ち望んでいたそれに甘い吐息が漏れる。
「ふ、あぁ……ん、っく……んっ! ふ、んんんっ!」
「乳首弱いんや…ってか背はちっさいけど、結構胸はおっきいんやな」
「そんなこと言わんでええしっ…」
「はいはい、でもピンクの乳首…こりっこりやな」
「やめ! っんあっあっ! そこばっか、やめ…んぁっあっあっっっ……」
「もしかして、乳首でイけるんちゃうか」
「やゅ、いややっ…やめてやぁ……ん……んっ…んっ……んぅっ!」
とか言いながら、乳首だけでも狂いそうなほど気持ち良くて…。
このままやとほんまにイってまう……こんないけ好かん男の手でイくなんて嫌やけど、我慢できへんっ…。
「そんなん言うてるけど、めっちゃ勃ってるし…声出まくってるし? 気にせんとイってええで」
「………んぁっあっ…もう…だめっ…だって…あっ…」
「ん、イけるように両方いじったる」
「ひっ、あっ! …んぁっはっ…はぁっ…はっ…変態っ…んぁっ…」
「ははっ、そりゃどーも」
両乳首を吸われて舌でいじめられて、指でコリコリしながらぎゅって摘まれたり。腰砕けの愛撫に抵抗なんてできなくて、一気に昇りつめる。
「あっ…あんっ、ぁあ、らぁめ……そこっ…はっ…だめ…だめだめだめっ…ンァ……あ゛っ…ひぁ、あっ、あっ、あっ、あんっっっっっ!!!!!!!!」
「あーあ、盛大にイってもうたな」
「はっ、はぁ、うるさっ…」
「でも、これで終わりとちゃうしな。こっちもいじって欲しいやろ?」
「あ、ま、まって…」
「んん?」
スカートの中に潜り込んだ手がショーツの割れ目をぷくっと押す。そこは、さっきの乳首の時からじわっと熱いのが漏れているのに気付いていた。だから気付かれたくなかった。
「乳首だけでこの濡れ方、やばない?」
「うるさいっ…」
そう、乳首が敏感すぎるのが弱点。自分でしてても乳首とクリトリスだけでほぼイってしまって満足してしまうくらい。
ごそっとショーツの中に無遠慮な手が入ってきて人差し指でぬちーっと割れ目をなぞった。
「ひあぁ! やぁ…」
「見て、めっちゃ糸引いてる。ほら…」
人差し指についた液を親指に付けて糸が引く様を見せつけられる。
「っ…! や、やめてやっ…そんなん見せんでいいし…」
「そうか? ほんなら、よっ…」
「うわっ、なに?」
軽々とお姫様抱っこされ、咄嗟に首元にしがみついた。
「まさか玄関で最後までヤりたいんか?」
「いや…」
「やろ? はよベッド行くで。俺も早く入れたい」
ベッドに優しく下ろされると、キスしながら着ていた服は全部脱がされる。さすが手慣れてる。荒い吐息とキスの合間にも自分のネクタイを緩めてシャツのボタンを外していく。バ サッとシャツを脱ぎ去ると、ほどよく割れた腹筋とたくましい肩幅が扇情的すぎて見惚れてしまった。
「ん? なんや、じっと見て」
「べ、べつにっ…」
男の上半身なんて見ても何とも思わんはずやのに、なんでこんなにエロく見えるん?
引き締まった体と…まだ姿を現さない彼のおちんちんを服の上から想像しては生唾を飲み込んだ。
「やーらし…早く欲しいんやな?」
「ちゃうしっ…」
「そうか? でもこっちは」
「うわっ…」
「欲しそうやな?」
私の足首を掴んでがばっと広げ、濡れてヒクつく割れ目に吐息がかかる距離で見られる。
「ちょ、見んとって…」
咄嗟に手で隠したら、その手を繋がれ阻止された。
「んー? ちゅ、ちゅ…」
「んっ、やぁ…」
わざと太腿の付け根やおまんこの横にキスをして、肝心の所には触れてくれない。
「ちゅ、ちゅく…ちゅ、ちゅ…」
「ん、や……ふ、ん……ちょぉ……」
「ん? どしたん? ちゅ、ちゅっ…」
「ん、もう…なんなん……ん、んっ」
「ふっ……舐めて欲しい?」
「うっ…ん、もぉなんなん、なんでそんなん言うん…」
「んー? いじめたくなってな、ちゅ…」
「ん、なんで…」
「素直に欲しいって言わんから。ちゅ、ちゅ…で? 舐めて欲しい? ちゃんと言うてみ」
「っん…ん……も、お…ほんま質(たち)わるっ……ん、もぉ!」
喉の奥でくくって笑う声が聞こえる。ほんまに意地が悪い。
「ちゅ、ちゅ、ちゅ…ん、足震えてんで。ここも溢れてきてる、ん、はぁ、ちゅ…」
「ふぅぅ…ん、も、ほんまにぃ……ん」
「ん? ちゅ、ちゅ…俺はこのままでもええねんで? でもここは欲しそうにしてんなぁ、ちゅ…」
「ふぁ…ん、お……ねがい……なめてっ…」
「んん? もっかい言うて、聞こえへんかった」
「うそつきっ…もぉっ!」
「はよ」
「ん、な…めてってば……」
「じゅるじゅるっ!」
「ああっ! ふ、んんっ!」
急に舐められて腰が弾ける。欲しかった、この感覚と感触。蜜を吸いとるようにじゅるじゅると音を立てながら舐められる。
「…あっ! あっ?! あっあっあっ! んあっ……あっ……」
「…っん、すっご。どんどん出てくるやん。とろっとろやで」
「いちいち、言わんとってって……んぁっ!」
「クリトリスとまんこ、どっちがいい? 好きな方舐めたる」
「そんな……どっちで、も……」
「あぁ、両方って? わがままやなぁ。口は一個しかないから順番な」
「ちゃうっ…ってそんな言うてへんしぃんっ……」
両手の親指でおまんこのひだを広げて見える様にわざとゆっくり舐められる。自分の股の間から鋭い雄の眼と視線がぶつかると、一気に顔が熱くなった。
「ひっ………!」
「見られて喜んどるな」
「うそやぁ……」
「嘘ちゃうで、舌にきゅって絡みついてきた」
「いややぁ……言わんでいいって、んぁ…あっ……は……あ…」
「ほんなら指入れたるわ…一本な」
「あ、あ、あああぁ〜〜」
「余裕やな。んー、あんたの好きなところはどこかな……」
「んぃっ!? あっ! あっ? なに? あっ…あっ…やめ…なん…かっ?!」
「ここ?」
「あっ、あかんっ! そこあかんっ! いやや、やめ……やめてや……」
――――ぐりぐりぐり〜…ぬちぬちぬち……
「ここなんや? んー、気持ちええなぁ? 遠慮せんとまたイってもええねんで?」
「あっ! ちっともっ、あっ、気持ちよく…ん…なんて…ひぃぁっ…ない………っ!!」
「ほんっま、嘘つきやなぁ。奥いじりながらクリトリス舐めたるわ」
じゅるるるっと蜜を吸いあげ、クリトリスを舌先でくるくる捏ね回される。腰が跳ねるというより、浮く。そのままカクカクと揺れてはしたなく感じてしまう。
あぁぁ……やばい、イきそう……。
――――じゅるじゅるじゅるぅぅぅ……
「アッ!! やぁっ激しっ! 奥、だぁめっ、だめ……あっ、イクイクイクっ……やあっ……っっっ!!!!!」
「ん〜〜、ぢゅるるっ……ん、はぁ、よしよし、イけたみたいやな。ナカすごい痙攣してんな、もっかいイっとく?」
「や、いややっ……も、ええって」
「遠慮すんな、こっちは欲しそうにヒクついてんで。んー、じゅるる……クリトリスも大きくなって舐めやすいわ」
「あっ、あっ……やめっ、もぉ、むりっ……ひっ、んっ! きもちいのとまらへ、んんん〜〜……」
――――ちゅくちゅくちゅく……ぢゅるるっ
「ん、は……あぁ、ナカがまた俺の指締め付けてきてる……イきそうやろ」
「イく、イっちゃうっ……もぉやめて…ぇやぁっ! も、あか、ん……いっちゃ……うっっっっ!!!!!」
「ははは、連続アクメできたやん……えっろ」
「はぁ、はぁ、いやって……いうたのにっ」
「そんなん言う通りにするわけないやん。気持ちよかったやろ?」
「っ……」
認めるのは何だか癪に障るから答えなかった。でもどうせ、バレてるんだろうけど。快感の余韻に浸っていると、いつの間にか全裸になっていた彼がコンドームを付けているところだった。
服の上からしか分からなかったけど、やっぱりおっきい……。天を仰ぎそそり立つちんこに慣れた手つきでゴムを付けるその仕草がやけにえっちぃ。
「見すぎやろ」
「見てへんしっ…」
「うそつけ」
「ほんまっ、あ……」
濡れてだらしなく緩んだまんこにちんこの先端があたる。期待の声は顔にも出ていたみたいで。
「欲しそうやな」
「なんでやねん、ちゃうしっ」
――――ぐりぐりぐりぐり……くちゅくちゅ
「や、ちょ、あっ……ん」
「濡れ濡れやな、すぐ入りそう」
――――ぐりぐりぐり……ぬちぬちぬち…
「ふ、んっ……ん、あ……」
「欲しい?」
さっきからグリグリと押し当てるか、わざと先端だけ入れたり抜いたりしてくる。体は正直なのに上のお口は全然素直になれない。
「べっ……つに、あんたが入れたいんやろ?」
「んー、それもあるけど言うて欲しいやん。ほら……ん、言うて」
――――ぐりぐり、くちゅくちゅ
「あ、うっ…やぁ……も、早く……」
「早く? ちゅ、ちゅ……」
太腿の内側にキスしながら、入りそうで入らないちんこがもどかしい。言えばあの硬くて大きいのがナカを貫くんだ……そう思うと期待で心臓が高鳴る。
欲しい……はやく、ほしい……
「おーい、大丈夫か? 欲しいって言えばすぐ入れたんねんから、はよ言いや」
――――ちゅ、ちゅうぅ……ぐりゅ、ぐりゅ……
「あ、はぁ……」
「先っぽ擦ってるだけで、どんどん濡れてくんな。ちゅっ……ぢゅうぅぅ……」
「あ……」
キスマーク……
「喜んでんと、はよ言いや。先っぽだけで満足か?」
「ちがっ……」
「ちゃうんや? 言わんかったらこのままキスマーク増えるだけやで」
それはちょっと困る……
――――ちゅ、ちゅ、ちゅ……くりゅくりゅ、ぐりゅっ…
「あ、ンッ! やぁぁ…も……れて」
「ん? もっと大きい声で言うて」
「言うたのにっ」
「聞こえへんかってん。もっかい、な?」
――――くりゅくりゅくりゅくりゅ、ぐにゅぐにゅうぅぅ……
「あ、ふぅ……ン、い……れて、もぉはよ……入れてっ、ーーーーーー!」
――――ずぷぷぷぷぷぷ〜、ずぷんっ!
「っう……はぁ、言うのんおっそいわ。我慢できへんから奥まで一気に入れてもうたやん」
「あ………あ、っ………ぁ」
「もしかして、軽くイった? ナカの締まりやばいねんけど」
「だ、って……急に奥まで入れるから……」
「はっ……えっちやな」
「ちゃうもんっ」
「はいはい、何でもええけど……気絶せんとってや。我慢した分楽しませてもらうで」
「わっ、ちょぉ、奥……いやっ……」
「そうなん? でもさっきより濡れてきて滑りもええし、気持ちよさそうやけど?」
いちいち言わんでもええねんっ……!
恨みったらしく睨みつけると意地悪く口角を上げて笑われた。
――――ぐちゅっ、ズポッ! パンッ、ズボッズボッ、ズボッズボッ!
「あっ! ん……だめ…ぁっ…ンッ……ふぁ…あっ……」
「ふっ……はっ……あぁ、またイく? ええけど、気絶しても続けるで」
「……ん! あぁ……お、にっ!」
「まだ優しくしたってる方なんやけど? それとも……ん、もっと激しい方が好みか?」
これで優しいん!?
――――ヌプ、ズボッ、ズボッ! ズポッ、ズブブ……、ズブブ……パチュッ! ズボッ!
「ひっ、嘘やぁ……んっ……んぁ…は…あ」
「嘘ちゃうよ……っく、はぁ……あっ、あぁ〜奥好きなんやな、締め付けすっご……」
「んぁ……んあっ、はぁっ……おく、なか溶けるぅ、あっ……だめだめだめ、いっちゃう……」
――――ズボッズボッ、ヌポッ、ヌポッ! ズボッ! ボッ、ヌポッ!
「んっ、喘ぎまくってそんな気持ちええんか……ほら、口開けてキスさして……もっと気持ちよくなるから……ん」
「んっ…んう…、ちゅ……んちゅ……んあっ、くちゅ… 」
ほんまにヤバイ……口の中きもち…
――――グポッ! ズボッ、ズボッ、グポッ、グポッ、グポッ、グポッ、パンッ!
「ふっ、はぁ…はぁ、キスしたら奥めっちゃ気持ちええわっ…っう、はぁ、締まるっ!」
「ああぁ、き……気持ちよすぎるぅぅ……ん、ん、ぁっ、んっ! イ、クっ……ンァッッッッッッッッ!!!!」
「っく、待て待て、締めすぎ……っ!」
最後の理性を持っていかれるような衝撃だった。
「んぁ…は…はぁ…あっ、ぁあ…」
「休憩してるとこ悪いけど、まだ俺イってへんから……なっ!」
――――パンッ、ズブブ……パンッパンッ、パンッパンッ! ヌプ、グポッ!
「アッ!? イっ……あかん! いまイったばっか! あっ! ん、やっ! 突いたらあかんっ! 変になる! ンァッ! あっあっ、だめっ……やぁっ」
ぶちゅ、と卑猥な音をたてながらピストンを繰り返されて頭の中は真っ白。
きもちいい……もう、勝負とかどうでもいい……。
「いや、ちゃうやろ? 気持ちよすぎるんやろ?素直に感じときっ……って、はぁ…俺もそろそろやば……っは、締まるっ………っ!」
「き、もち……いい! から、いやっ……やぁ! イクの……とまらへん〜〜っ…」
「何回でもイったらええやん……ん、っは、あぁ……奥突くたびにイってるやろ……せっま……」
「ああっ! だってぇ……きもち、いいっ! もぉ、いややっ、とまって……やぁっ」
「あかん、俺もそろそろイきそうやねん……っ、ほら、一緒にイこや」
「ああああ、だめだめだめだめ……いくいくっ、もぉむりぃ……ひうあぁぁぁっっっ!!」
「あぁ、俺も……いくっ……うっ……く! はぁ……はぁ……」
もう、この勝負の勝敗なんてどうでも良くて……睡魔で微睡む私が意識を手放しそうになると、中からずるっとちんこが出ていく。荒い息を出しながら、精子で満たされたコンドームをくくりゴミ箱に捨てると、新しいコンドームに手を伸ばす彼。
「え、ちょ、なになに? もぉ無理やで?」
「は? 冗談やんな?」
「いやいや、冗談とちゃう。ほんまに無理やって……」
ずり、っとベッドの上で逃げようとするけど、かなりの体力を消耗していて動けない。そんな私の足首を掴まれ、ずるずると引き戻される。
「今さら逃がすと思うか? 俺はまだ1回しかイってないねん。覚悟しぃや」
「うそやん、無理無理っ……待って」
「待たへん。あんま暴れてると生で入れるで」
「い……や、あかん、もぉできへんって…」
「ほんまお口は素直やないな。ほれ、これ飲んで水分補給しぃ」
「あ…ありがとぉ………っ!!!!! げほっげほっ!」
渡されたグラスの水を一気飲みしたら、むせ返るアルコールで咳き込んでしまった。
「ちょ、これ!」
「あ、ごめん、まちごうた。それテキーラやったわ」
「ぜっっったい、嘘やろ!」
「ごめん、て言うたやん。でもちょうどええわ、これで逃げる気なんて無くすやろ?」
「あ……や、め……うぅっ……」
カーっと熱くなる喉から強烈なアルコール臭がして、また頭がぼーっとしてくる。くらりと目の前が歪んでベッドに倒れると、私は再び喘ぐことになったのだった。
Fin