novel | ナノ




きみは、ぼくのたからもの。

その長い髪も、自身に満ち溢れた瞳も、ボクより少し高い背も、全部全部、ボクにとっては綺麗な、綺麗なたからもの。

「だから、きみを、ぼくにください」

たとえ本心を告げたとしてもキミは、ただ左右で違ういろの瞳で、ボクを見つめて笑うだけだ。
そう、思って居たからこそ、告げることが出来たのに、キミはいつだってボクの思い通りにはなってくれないんですね。

「黒子は、俺が欲しい?」
「、どういう、意味ですか」
「お前の言う、たからもの、とやらを、お前は手にしたいのか、と聞いている」

その質問は、すこしずるい。
たとえば欲しいと答えたなら、赤司さんはボクに全部くれるのか、はたまた手を離すのか。
それがわからない。
けれど嘘を言ったところで赤司さんは見抜いてしまうだろう。
ならば最初から本心を告げるより他ないのかもしれない。

「そりゃ、欲しいですよ。キミがボクの、ボクだけのものになってくれるなら、たからものを独り占めできるならとっても嬉しいですし」
「ふふ、いい答えだね。テツナ」
「、わたしは、犬じゃありませんよ」

彼女は自分のお気に入りを犬と称し名前で呼ぶ傾向がある。
紫原さんはもちろんのこと、最近ではボクの犬の黄瀬さんのことも名前で呼び始めている。
ボクは、その中には、入りたくない。
もっと別の枠にいれてもらいたい、なんてわがままなのもわかってますけど。
ボクの考えを読み取ったのか、赤司さんは笑ってボクの髪を撫でる。

「テツナは、俺にとっても宝物だ。俺より少し小さな背も、くやしいけど俺より少し大きな胸も、まっすぐなその目も、全部、俺の宝物」

だから、と彼女は笑った。




(二人で一緒に堕ちようか、 )




アイベリーはいちごの一種。
赤司はいちごっぽいよね







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -