過去ログ | ナノ






「あたしってガキくさいよなー…」

「何を今更」

そう答えてやればまた口を尖らせる彼女。それがガキみたいだって事じゃないのか?多分それを言えば彼女はまたいつものように怒り出すのだろう。最近彼女の行動が読めてきて自分でも驚いている。


「だめだなー…どうにかしたいな」

「じゃあ改善しろよ」

「しようと思って簡単に出来たら困ってないんです」

「というかお前気付くの遅い」


名前が子供っぽいのは今に始まった事ではない。俺が彼女と始めてあった時からずっと、俺は彼女を子供っぽいと思っている。ある意味凄い事。コミュニケーションの取り方も、仕草も行動も言動も、何もかもがガキくさい。確実に俺の方が年下なのに、誰に聞いても断然名前の方が子供だと言うだろう。でもきっと、そのおかげで彼女は周りから信頼を寄せられているのだとも思う。俺もその1人。


「あたしさー」

「何だよ」

「今日誕生日なんだ」

「…そうか」

「あ、忘れてた間でしょ今の」

「お前の誕生日を覚えているほど俺は暇じゃない」

「なんだよあたしは祝ってあげたのにさ!冬獅郎の恩知らず!」

「その言葉そっくりそのまま返してやるよ」


何が恩知らずだ、毎日毎日仕事中なのにも関わらずサボりに付き合わされているこっちの身にもなってみろ。そう思うがわざわざ言う事はしない。どうせ彼女の事だ、また面倒な展開になることは読めている。相変わらずふて腐れた様にソファーに寝転ぶ名前を見ながら俺は仕事を続けていた。これでも彼女は俺より年上なんだな…ふとそう思った。
どれだけ彼女が周囲から子供だと言われようが、常に彼女は俺の上を行く。一生かけても埋まらないこの差。絶対彼女より俺は仕事を真面目にこなしているのに、同じ隊長なのに。それだけではない。毎日のように一緒にいるのに、誰よりも彼女を知っている自信があるのに。それ故に彼女との差を思い知らされた。そして今日もまた名前は俺の先を行く。それに気付いてしまうとなんだかもどかしかった。


「名前」

「何?」

「俺、絶対お前の事年上だと思いたくない」

「なんだそれ」

「だから祝わない」

「え、理不尽」


いつも理不尽な彼女に、今日は俺が理不尽に返してやる。あからさまに嫌そうな顔をしている名前を見て、嫌なら帰ればいいと切実に思った。それでも彼女をここから追い出さないのは、俺が彼女を嫌いじゃないから。そう思わせているのは、いつまでも変わらない彼女の人間性。それは認めざるを得なくて、なんだか悔しくて、もどかしくて、嬉しかった。





「だから、俺がお前を完全に越えたら、祝ってやる」





「………ま、頑張れよ少年」


驚いた中にも皮肉るように少し笑って返事を返す名前。いつになっても上から目線は変わらず、少し腹立たしい。別に勝ちも負けもないけど、なんだか勝ち誇ったような表情をされると余計に腹立たしい。絶対いつか越えてやる、そんな思いを強く感じながら、まずはまた俺の先を行く彼女に追いつくために俺は筆を取った。
















(歳の差は縮まる事は無いけど、それでも確実に君の隣に立つ為に俺は進んでいく)

























100301
自分誕生日おめでとう夢。自己満。
始めに思いついたのは丸だったけどやっぱり我の旦那はひつなのでひつ夢にした。だいすきあいしてるよひつ

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