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「うわぁ、花嫁さんだー」


目をキラキラさせながら臨也の横で声をあげる名前。その声に臨也も視線を向けると、そこには幸せそうに笑っている新婚の姿。新婦は淡い桃色のフリルが付いたウェディングドレスを纏って新郎に寄り添っている。チラリと名前を見れば、“羨ましい”といった表情でその新婦を見つめていた。


「ジューンブライドかーいいなー」

「名前でもそういうの憧れたりするんだ」

「どういう意味かな」


相変わらず笑顔の彼女だったが、その声色は何処かどす黒いものを感じさせた。そんな彼女をさして気にする事もなく、臨也は彼女を置いて歩き出す。


「まぁ俺は結婚する気無いし」

「何それ。ずっとぼっち?」

「ぼっちじゃない」

「ぼっちじゃん」


シラッと答える名前に、あからさまに不機嫌になった臨也が眉をひそめる。皮肉るように口角を上げると、名前は自然に早めた足取りで臨也を追い越した。


「あたしとも結婚したくない?」

「それは…―――」


明るい声でいつもと変わらず問われる。一瞬、臨也が足を止めると、半ばスキップのした様な足を止め、名前はくるりと振り向いて彼を見た。


「私、苗字名前は折原臨也を生涯の夫と定め、健やかなる時も病める時も彼を愛し、彼を助け、生涯変わらず彼を愛する事を誓います」

「―――…よくそんな長文覚えてるね」

「もっと褒めていいよ」


嬉しそうに笑う彼女に対し、臨也は内心の驚きを隠しながら平然を装って言葉を投げる。少し開いた2人の距離を詰めるようにして、名前はゆっくり歩き出した。


「新郎、折原臨也は苗字名前を生涯の妻と定め、健やかなる時も病める時も彼女を愛し、彼女を助け、生涯変わらず彼女を愛する事を誓いますか?」


言い終わる時には彼女は臨也の目の前に立っていた。両手を彼に差し延べながら、名前は先程の新婦の様に幸せそうな微笑みを浮かべている。答えなんて分かりきっているだろうに。臨也は苦笑を漏らしながら、静かに彼女の手を取ってそのまま包み込んだ。この幸せを逃がすまいとばかりに、ただ優しく、愛を込めて。














(君と一生の幸福を誓います)

























100622
猫コックリクの「結婚式」であった!臨也は一生結婚しないよ!ずっとぼっちがベストだよ(^O^)ネタ提供ありがとぅーす^^
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