part...00
その日は、月明かりが異様にまぶしく思えた。
割れた窓ガラスはキラキラと輝く星のように落ちていく。
その方の姿を見て、私は胸が高鳴った。
運命だと…そう思った。
「よう、また来てやったぜ」
「切り殺されに、か?」
お互いが殺してやる、と言わんばかりの睨み合いをする二人。
やがてやって来た仲間と、その方は立ち去ろうとしていた…。
いかないで欲しい、どうか…
「私を、連れて行ってください!!」
思わず大きな声を上げた。
彼は振り返ってくれた、しばらく考えにやりと笑うと
「来い」
一言だけれど…そう、言ってくださった。
立ち上がり、彼の伸ばしてくれた手を握りしめた。
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