「うぐぇえ゛え゛ええぇぇぇ…」

びちゃびちゃとはしたない音を立てて私の口から溢れ出す吐瀉物。
白と、黄色と、時々ぴんく。

コレは今日食べたお昼ご飯かしら。
ああ、違う、今日はお昼食べてない。
じゃあ朝ごはん?
朝ごはん…何食べたっけ?
コレはなに?ナニ?私の口からはナニが出てるの?


「げえ゛っ…う゛ぇ……え゛っほ…」


薄暗い部屋の中、四つん這いになって、ただひたすら嘔吐を繰り返す。
ひと呼吸置いても、自分の吐瀉物の放つ臭いに顔をしかめ、また嘔吐。
最後には吐き出すものがなく、ひっきりなしに嗚咽をしながらなけなしの胃液を吐いた。
喉が焼ける。

そんな惨めな私を背後から見下ろす人影が一つ。



「ちったぁ楽になったか?」


ぜぃぜぃと荒い息の合間に、彼が付けたジッポーの音が聞こえる。
そして少し、焦げた匂い。


「…ぎもぢ…わぅい……」
「…そうか。」
「……ぐるじぃ…」
「…。」
「くるしい…よ……次元…」


涙がボロボロ溢れて、自分を支える四肢が震え、自分の吐いた吐瀉物の上に力なく倒れこんだ。
私の髪と頬に、吐瀉物特有のネバついた感触がへばりついた。


「次元…助…けて……」


堪らなく後ろの人物に悲願する。
彼は、何も動揺することなく、煙草を口に運び、ため息にも似た煙を吐いた。


「そいつぁ無理な相談だ。」



依存心

自らの醜さや憎悪は嫌という程目についてそれでも貴方に肯定さえされれば私自身というものが確立できるような気がしてそれなのに貴方はこの背中を優しく擦ってくれることもなくその右手はいつもペルメルの煙草を持つばかり、


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