「ああああぁぁぁぁああ゛あ゛あ゛あああっ!!!!!!!」 突如私が叫びだしたものだから、この部屋の住人、蔵馬は驚いたように私を見つめた。 「一体どうしたんです?」 「もう嫌だ!!くそぅなんて事だ死にたい!!!」 「自殺願望ですか?感心しませんね。」 蔵馬は苦笑しながら、先程読んでいた小説を机の上に置いた。 ってゆーか読書の邪魔しちゃったよねごめんね。 「だって苦しいんだよアイツのこと考えると!!」 「ふふっ。アイツって誰のこと?」 「飛影!」 私の口から出た人物が意外だったのか、蔵馬は目を丸くした。 「だって飛影なんてこんな色恋沙汰とは無縁じゃん!興味なさそうだし戦いが全てって感じだし!!」 「まぁ…」 「だから意識しないように頑張ってんのにすぐ飛影のこと想っちゃうしああもうなんてことだなんでこんなめんどうなヤツ好きになっちゃったんだろ!!」 「……。」 「飛影のことが好きすぎて苦しいんだよどうしたらいいかわからないくらいすっごい好きなの!!」 「…。」 「もう飛影のことが好きすぎて死にたい。」 関を切ったかのように言いたい事を全部言った。 胸の中のモヤモヤを一気に吐き出した気分。 なんだか妙にすっきりして、ため息を一つついた。 「ふふふ。」 「…もう、笑わないでよう。」 「それ、本人に面と向かって言ったらどう?」 「言えるわけないでしょ!?」 「いや、実行に移すのは簡単だと思うよ?」 「…え」 蔵馬の視線が、私の後ろに注がれた。 ものすごく嫌な予感がする。 振り向くのが怖い。 でも振り向かないとこの背中を伝うわけのわからない汗が止まりそうにないので、振り向く。 そーっと、そー…っと…… 「ぎゃあああああああ!!!!!」 振り向いた先に、私を悩ます問題の人物が、窓に腰掛けて居た。 心なしか顔がほんのり赤く、気まずそうな視線とぶつかった。 「…よくそんなデカイ声であんな事を言えるな。」 「いいいいいいつから居た!?どのへんから聞いてた!?」 「貴様が急に叫びだしたあたりからだ。」 「最初からかよ!!」 勢いでツッコんだ。 恥ずかしさはツッコミで誤魔化す。 ああもう最悪全部聞かれた。 恥ずかしすぎて死にたい。ってゆーか消えたい。今すぐ。迅速に。 「盗み聞きはいけませんね。」 「知るか。デカイ声でわめくコイツが悪い。」 あうぅ…まさか当の本人が近くに居るだなんて思わないじゃんかよー。私の馬鹿ーっ馬鹿ーっ。 確実に終わった。私、終わった。 「オイ、」 「うっ…」 終わるんだなぁ。私の恋も友人関係も。 こんなことなら何も言わずずっと片想いしとけばよかったなぁ。 なんか情けなくて飛影の顔が見れないよ。 「好きすぎて死にたいだとかぬかしてたな。」 「ふぇ……」 「…なんなら、俺が殺してやろうか?」 「…へ?」 言ってる意味がわからない。 思わず顔を上げると、赤眼がまっすぐ私をみつめていた。 「えっと……それってどういう…」 「フン。」 飛影にそっぽを向かれた。 でも私は顔のにやにやが止まらなかった。 だって、真っ赤な耳が、私に返事をくれた。 愛をぶちまけたい!! (うああああもう突き殺して下さい!!前も後ろも!!) (?なんの話をしている?) back |