前の島を出て早一ヶ月。

天気は良好。
敵船もなし。

クルー達が暇を持て余す中、
急に後ろから抱きつかれて、
良い事なんか起こるワケがない。



I love you, Honey!!



「ねぇねぇハニー、」
「おぉ、とりあえず俺はどこからつっこめばいいんだ?」
「いやんっ、つっこむだなんてハニーったら昼間からだ・い・た・ん」
「よし、とりあえずココからだな。」


ビシィッ


「い゛っだぁっ!!!!!」


後ろからひっついてきたなまえに思いっきりデコピンを食らわしてやった。
女らしからぬ声をあげ、おでこをおさえて俺の後ろでのたうち回っていた。(ざまみろ)


「痛い!マジで痛い!!冗談じゃないんだよ本気で痛いんだよコレ!?」
「ああ、痛そうだな。」
「何その他人事!?」
「いやだって他人事だし。」
「ムキーッ!何ソレ!?DVだよコレDV!!でぃーぶぃっ!!」
「どうするバレンタインの略だな」
「そうそう。…って違うわぁっ!!!」


どうやらノリツッコミは健在のようだ。


「いきなり何すんのよ!?」
「それはコッチのセリフだっての。」

全くだ。

「何だよいきなり抱きついてきて気色悪ぃ呼び方しやがって。」


目を細めて軽蔑の視線を送るとなまえはちょこちょこと俺の側に寄り、隣にちょこんと正座した。


「いやですね、私達って付き合ってるわけじゃないですか。」
「一応な。」
「一応って…!!」
「いいから続けろ。」
「…はい。」
「で?」
「で、よく恋人同士でハニー、ダーリンって呼んだりするじゃないですか。」
「まぁ今時そんなヤツ天然記念物だけどな。」
「でも私がダーリンって呼んだって普通じゃないですか。」
「おぉ、何故そこでマイナー思考に走る?」
「なんで、私がハニーって呼ぶんでダーリンって呼んで下さい。」
「いや俺は承諾しねーよ?」
「むしろ呼べ。」
「命令系かよ!!」
「ね、ハニー。」
「だから俺は…「ね!ハニー!!」
「……。」






駄目だ…
その目に俺の拒否権は写っていない…。



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