まず1つ言っておくが、
「…ねぇ、」
これは決して同情なんかじゃない。
「抱いてくれないの?」
同情なんかしたところで何1つ始まりやしない。
ただ、
自分が不幸だという自覚がない程不幸で、
でもそれはある意味幸福で、
「…そんなに抱いて欲しいのか?」
そして、
何1つ写さない空っぽな瞳に、
非常に興味をそそられた。
「なら教えてやるよ。」
ただ、それだけだ。
「抱かれるなんかより、もっとイイコト。」
その空っぽな瞳が僅かに揺れたのを、俺は決して見逃さなかった。
空っぽな身体
(さぁ、一体何で埋めようか?)
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