名前は少し人と違うところを持っていた。
別にそれが長所かと聞かれたら、どちらかというと短所だし、それでもそういう人間なのだから諦めてほしいし。……いや、本当は、短所まみれな性格のまま生きていくわたしを、愛してほしい。
わたしはわたしなのだから、無理に変わらなくていい。誰かにそう言ってもらいたいだけなのだ。だって、今のわたしから変わっていったら、それはもう名前じゃなくてもいい。ほかの誰かでもいいってことでしょう?
わたしは妥協なんかしたくないし、本当に好きな人が現れたら、一心に愛を送り続けたい。求められるのが好き。求めるのも好き。
わたしは、誰かに、一途に、愛されたい。
愛して。愛でわたしを埋めつくして。そして、いっそのことわたしを貴方の手でーーー






ーーー





名前は服を脱ぎ、全裸になった状態で寝転んでいる独歩の上に覆い被さった。独歩が求めていた乳房が目の前にある。「直接触ってもいいんですよ?ずっと見ていたの、わたし、知ってるんです。お客さん、ヘンタイですね」自分のソレをパンツ越しにいやらしく触りながら言ってきた彼女の声に、ドキリと心臓が高鳴った。バレてた。変態だって言われた。独歩は一瞬うつ状態に入るところだったが、まあ、言われたとおり変態なので、と、少しヤケになりながらすぐに名前の胸に顔をうずめる。
かわいい。と小さな声が聞こえて、パンツの中に手を入れられる感覚とともに、独歩は思わず声を上げた。
「パンツの中、どろどろ」
ふふ、と名前の可愛らしい笑い声が聞こえる。自分のが張り裂けそうなくらいパンパンに膨れ上がるのがわかりながら、これはどうしようもないだろ、心理現象なんだし。なんて己の欲望に忠実になって、ふにふにとした彼女の胸の中で安心感と興奮を味わいながら、独歩は目を閉じた。






ーーー





わたしはお客さんの肉棒を触りながら、ベッドにある無機質な時計を見た。残り時間はあと一時間。このままずっとこういうのをしていてもいいのだが、と、考えて、ふと、どうしてこういうことをすることになったかと考えてしまった。自分を求められるのは、相手が性欲発散したいだけ。わたし自身を求められてる訳ではなく、きっとほかの女の子に対しても彼は、彼たちは同じように興奮をし、性欲を思い切りぶつけるのだろう。少し悲しい気持ちになる。わたしだけを本当に見てくれる人なんて、いないのかもしれない。それでも、わたしは、こういうことをやめられないのだろう。
お客さんはわたしがしごく度にビクビクと反応し、リードしてくれるわけでもなく、ただ己の快感に溺れている。多分こういう所に来るのが初めてなんだろう。そういうのが可愛いと思いながらも、思い切りわたしのことを犯してほしいだなんて、ちょっとイケナイ方向に考えてしまう。
なんかもう、焦れったくなってきてしまった。
わたしはお客さんのパンツを勢いよく脱がして、対して濡れていない自分の中へと入れようとする。あ、ゴム。と思ったが、なんかつけるのも面倒だし、アフターピルを後で処方してもらえればいいかな、なんて、無責任なことを頭の片隅に入れ、少し痛みを感じながら、動揺してわたしの胸から顔を出した、クマの目立つ、ひょろひょろのお客さんを笑顔で見ながら、ぶちぶちと痛みが増していきながらも、挿入した。

「あ、っはぁ……いれちゃいました、ふふ」

動揺と快楽で顔を歪ませているお客さんが、何故かとても愛おしい。ゴムは、と呟いてるのを無視しながら、わたしはゆっくり腰を動かす。





20181215






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