好きな奴ができた。 同じクラスだけどこないだ初めて話して、まあ教科書忘れたから見せてもらっただけなんやけど。 なんや近く寄ったらシャンプーみたいな香りするし、いや、部長の変態とはちゃうけど。 笑うとめっちゃかわええ。 無関心装ってメアド聞き出したはいいけど話題が浮かばへん。 「よろしゅう」って送ったら「うん」って返ってきた。 一言か。 もうええ、言ったる。 俺は普段やらんけどやるときはやる。多分。 人生初の告白を前に、俺は全精神を指先に集中させてメールを作成した。長い格闘の末できた文章は「好きや。付き合うてくれへん?」 文章って難しいってことを痛感した。俺の場合言葉でも伝わりにくいけど。けど人は見かけやないんや。 っちゅーのは置いといて、俺は送信ボタンを押すか押さないか数分迷っい、そしてついに意を決してボタンを押した。 ちなみに機種はソフバンやった。 送信率が100パーになる前に聞き慣れない音がした。 ×ただいまネットワークに接続できません。 ふざけんな。 「……ちゅーエピソードがあの日の前の財前にはあったんやで名前」 「そうなんですか謙也先輩、まじ笑えるははは」 「そんでそれを次の日俺に言いにきよってな、あの財前がへこんでたんやで。ウケるやろ」 「ははははは!」 「せやから直接言えやって言うてやったわ俺」 「…謙也さん」 「なんや……って財前」 「送信エラーの財前君!」 「いらんこと言わんでもらえます」 「ええやん今となっては良き思い出や」 「そうだよ財前君、謙也先輩が助言してなかったら今の私と財前君はなかったんだよ」 「俺は謙也さんなんかおらんでも言うた」 「嘘つけお前直接は無理や!って散々騒いでたやないか」 「騒いでへん」 「なんのための電子機器やねん…、って落ち込んどったやないか!」 「それはちがっ、いや、まあ、…そうっすけど」 「ほら!」 「今度の練習試合覚えといて下さいぎったぎたにしたります」 「謙也先輩がどうなってもいいけどさ財前君、明日のこと忘れてないだろうね」 「覚えとるわ、10時に行けばええんやろ」 「連絡も忘れずにね!もうエラーしないでね!」 「黙れあほ」 「ちなみに愛の言葉ならいつでも受け付けてるからね!接続は年中無休で可能だからよろしく!じゃっ!」 「行ってもうた。…俺のことどうでもええって言うたなあいつ」 「はっ」 「あ、ちなみに俺もいつでも相談受け付けとるで。急いでるときは接続不可やけど」 「いりません」 「愛の言葉でもええで」 「しね」 101216 ?(´・ω・) ちがうんだこんなんじゃなかったんだ…!← |