「選考を始めるのは明後日からだ。それまでに準備しろ」
「明後日!?……それまた急なお話ですね」
「ごめんなティア。話は2ヶ月前から出てたんだが、なかなか許してくれなくてだな……」
「許してくれない、ですか?」
「九代目だぞ。全くあの狸爺は」



お父様……

やっぱり、私は行かないほうがいいのでしょうか



「とりあえず許可はもぎ取ってきたんだ、さっさと準備しておけよ。明後日の午前10時にボンゴレ本部に集合だ」
「エントランスに幹部を誰か配置しておくから、そいつに名前を言ってくれ。中央広場に案内させるようにするからな」
「…………は、い」



家光おじ様がいつものニカッと眩しい笑顔を向けてくれる。少し、体の強張りが解けていく
しかしとんとんと決まってしまった。
了承はしていなかったけれど、ここまで決まっているなら今更拒否してもリボーン様に頭の風通しを良くされてしまいますね

小さくため息をつく



「ごめんな、ティア」
「……ふぅ。大丈夫ですよ、頑張りますね!」
「お前が婚約者候補たちとやり合えば、あいつらだって認めるだろ」
「そう、だと…… いいですね」
「まあその前に、ツナに気に入られるかが問題だがな」
「き、気に入られるかだなんて!それは無理ですよ!他にもお嬢様方がいらっしゃるのでしょう?」
「ティア含めて全員で4人だな!大丈夫さ、ツナならきっと気に入るよ」
「い、いえ、別に婚約者になりたい訳ではないのですが……」



笑ってみせるが思わず眉尻が下がる
おじ様はなんと期待を込めた目をしているのでしょうか
十代目様と婚約者=おじ様の娘になるかもしれないのに…

さ、切り替え切り替え!
頑張ってみせましょう、まだ見ぬ十代目様に恥をかかせてしまわぬように!

ぐっと拳を握りしめ、目の前の2人に伝える



「とりあえず、頑張りますね!!!」



2人が微笑みを向けてくれる。

あ、そうだ。
これだけは聞いておかないと



「行く前にお聞きしたいのですが、十代目様はどんな方でしょうか」
「あー……。なあ、リボーン」
「大丈夫だ。あいつはきっとお前のことを気に入るぞ」
「それはそうだな!なんてったって俺の息子だしな!」
「いえ、そうではなく……」
「まあ楽しみにしとけ」



うう、教えてくれなかった
どんな方なのか性格は勿論、容姿さえ知らないのに……



「じゃあな。2日後楽しみにしてるぞ」
「はい、よろしくお願いします」
「あっそうそう!リボーンと六道骸以外にはティアがXANXUSの妹ってことは内緒にしといてくれ」
「?」
「あと、XANXUSにも婚約者候補になったことや選考に行くことも内緒な」
「どうしてですか?」



何故秘密なのでしょう?
いずれバレると思うのですが……

私が聞くもおじ様は苦笑しながら教えてくれた



「XANXUSは心配するだろ、顔に似合わず」
「んー。確かに乗り込んじゃいそうですね……」
「だろ?ツナたちに内緒なのも似たようなもんだ。あいつらティアのこと知らないからな、怪しまれちまう」
「怪しまれてはいけないのですか?」
「婚約者選考どころじゃなくなるだろ?」
「そっか……。わかりました、内緒にします!」
「よろしくな」



ポンポンと頭を撫でてくれた。

ふふ、これも久しぶりだなあ思わず頬が緩んでしまう



「お、嬉しいか?」
「はい、嬉しいです」
「チッ。イチャイチャしてんじゃねえ」



リボーン様がおじ様に蹴りを入れ、そのままおじ様は横へ飛んでいった

大丈夫でしょうか……


「いってて。何すんだよリボーン!」
「お前がイチャついてどーすんだ」
「すまんすまん。久しぶりに会ったもんだから」
「おじ様大丈夫ですか」
「おう!挨拶みてぇなもんだ!それじゃあ行くわ、ツナをよろしくな」
「はい、おまかせください!私こそよろしくお願いします」



2人ともそのまま部屋から出ていった。

あっ、早く準備を始めないと。
でも私一人じゃ準備しきれないですね



「リアちゃんにもお願いしようかな」





To be continued...
prev next
back





 
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -