「よし、終了」
波の動きによって机の上に置いてあったグラスの中の酒が揺れた
それを一口飲み、ようやくできた航海図を眺める
朝から溜まっていた海路の航海図を書くのに手間取りこんな夜中まで掛かってしまった
(…まぁ、遅くなったのはルフィのせいだけどな)
本来ならば半日もせずに終わるはずのこの作業は、俺らが船長のルフィの手によって憚れていた
「そういやあいつ、あんなにしつこい程遊べ、ってほざいてたけど…急に静かになったな」
気まぐれすぎるルフィは、朝から何度も俺の邪魔をしに来ては遊べとほざいていたが、それも夕方を過ぎる頃には収まり今こうやって航海図が書き終わった
「…なんだったんだ?」
あの時は助かったと思ってなにも考えなかったが、今となれば違和感の残る話だ
道具を片づけながらしばらく考えていたが、結局何も思い浮かばない
「考えても仕方のねぇ話か…」
「何がだ?」
「うぉ!」
いきなり掛けられた後ろの声に思わず身構える
振り向いてみれば、目の前には今まで考えていたルフィが肩にタオルをかけた状態で立っていた
髪から水を滴らせながら首を傾げ、こちらを見ている
「あ?なんだ、ルフィ こんな時間に風呂入ってたのか?」
「あぁ、ちょっとな!」
風呂上りで上気した頬が満面の笑みを浮かべる
「なーみーぞー!!遊ぼうぜ!!」
「うわっ!」
そんな笑みを一気に黒く変えたルフィが抱きついてくる
勢いよく抱きついてきたせいで俺はルフィに押し倒される形で床に転がる
「おい、ルフィ…」
「あれ?こうすればロビンが遊んでくれるって言ったんだけど」
「…あの女」
不敵に笑みを浮かべているロビンの顔が思い浮かぶ
…くそ、でもこれ絶対ロビンの"遊ぶ"とルフィの"遊ぶ"は違う意味合いだろう
「あ、そだ ロビンがな"船長さんを構ってあげてね"って言ってたぞ!!」
嬉しそうに語るルフィに動きが止まる
バカで能天気で単細胞なこいつのことだ まったく意味がわかってないのだろう
それでも、これから俺に遊んでもらえると思ってウキウキと楽しそうにしているのが可愛くてしょうがない
(あぁ、俺ってこんなバカだったっけ?)
頭で考えるのと同時に身体が動く
上に乗っかっているルフィを今度は俺が押し倒す
「ナミゾウ?」
「うん、なるほどな だから途中から静かになったんだな」
「あぁ!夜遊んでもらうんだから今のうちに寝ろってロビンが言ったからな!!」
「ほーほーほー んじゃ、今夜は徹夜でもいいんだな」
準備のいいことに徹夜もOKとのこと
そしたらもうやることは一つしかないだろう
「んじゃ、遊んでやるよ」
「へっ、ん、ぁあ、ふぁっ!!」
思い切り潤んだ唇に噛みついてやった
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