「サンジ…?サンジっ、やめ」
て、と言われる前にサンジはルフィの小さな乳首を口に含んだ。びくんと大きくルフィの身体が跳ねる。サンジの腕を掴んだ手の力がだんだんと弱まってきた。
「さんじ、あっ、いぁ」
少し歯を立てると、ルフィは高い嬌声を上げた。それをいいことに、サンジは片方の乳首を親指の腹で捏ねり始めた。
「ァっ…、さ、アッっ…」
反応は上々だった。男に触れられたのは初めてではないのだろうか。空いていた手で、するすると彼の腰を撫でてやる。段々腰が浮いてきた。順調だ。
「ぅ、ァっ…!さんじっ…」
彼が咄嗟に自分の股を閉じた。足の指がぴんと反っている。その足はがくがくと震えていた。勃ってしまったのか。
「…ルフィ」
「さんじ…っ、なんで、なんで」
ルフィは泣いていた。俺は病人に手を出している、サンジは改めて自覚した。否、病人というだけではない。手に入れたいと長く長く願った唯一の、好きな男でもあるのだ。
ルフィは熱の所為で頭が回らないのか、うまく言葉が出ないらしい。なんで、なんでと同じ言葉を繰り返しながら、サンジの愛撫に悶えていた。
「は、ァ!だめっ、なんで…ッ」
ルフィの乳首を舌で攻め立てながら、彼の足を割って手を股間に移動させた。予想以上に芯を持った彼自身に、サンジはぞっと興奮した。
「やだ、さんじっ…!」
無理矢理彼のズボンと下着を片手で剥ぎ取った。息もつかせぬ速さで彼自身をグリップした。熱く、硬く、小さなルフィ自身がサンジの手内でどくどく波打っている。
「サンジっ!ァっ…、やめっ…さんじ、んふっ」
二度目の接吻。舌を口内に入れようとすると、口端を思い切り噛まれた。口の中に血が滲む。
「は、ぁ…、サンジ…、何で」
こんなことすんだよ。ルフィは手の甲で口許を拭いながら、そう言った。
「うるせえな」
サンジが吐いた言葉にルフィの目が見開かれた。頭が回っていないのはルフィだけではないみたいだ。サンジは嘲笑した。こんなこと言いたいんじゃない。こんなこと伝えたいんじゃないのに。
「お前としたいからするだけだ」
理由なんてねえ、誰でもいい、溜まってるんだ。
…ああ何故こんなルフィを傷つけるような言葉ばかりが、口から溢れ出てくるのだろうか。好きだよルフィ、好きだ、お前が好きだ、好きなのに、好きなのに
ルフィの目から涙が流れ落ちるのと、サンジの頬に衝撃が与えられたのはほぼ同時だった。ばちんと大きな音が部屋に響いた。
「最低だ」
頬がぴりぴりと痛む。ビンタされたのだ。久し振りにこんな豪快に叩かれた気がする。
サンジなんか大嫌いだ、ルフィが口走った。瞬間、サンジの血が騒ぎ出した。この期に及んでまだルフィから嫌われたくなかったサンジは、焦りに焦りベットから這い出ようとしたルフィを無理矢理組み敷いて、その上に覆い被さった。


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