「ルフィ?」
シャンクスが動きを止めた。おれの耳に鼻を寄せて、泣いてんのかと聞いてきた。聞かなくても分かるくせに、おれは離してと小さく言った。
「もう、つらい…」
ぼろぼろと涙が溢れ出た。今まで我慢していたものが全て流れるように
「はなして…」
こわい、おれは消耗しきってなくなった力でシャンクスから離れようとした。しかしそんな体力がおれにあるわけがなく、すぐに彼に抱きかかえられてしまった。垣間見えた彼の横顔は、ひどく焦ったような顔だった。ああそういえば。彼の前で泣いたのはこれが初めてだ。今の今までおれはシャンクスの前で泣いたことはなかった。あああ、と彼が上擦った声を出した。
「ごめんなルフィ、ごめん」
まるで人が変わったようにシャンクスは優しくおれの頭を撫でた。それからいつになく強く後ろから抱き締められる。彼は明らかに慌てていた。女の涙に弱い男ならそこら中にいるが、男の涙に弱い男なんてシャンクスぐらいじゃないか、と思った。
「だめだ俺、ルフィといると、だめだ、おかしくなる」
抱きたくてたまんねえんだ、シャンクスは自嘲気味に笑った。それから小さく口を開いた。好きなんだ、と。
一瞬にしておれの心の中にあったどす黒い靄(もや)が晴れたような気がした。ずっとずっと聞きたくて願った言葉が、シャンクスの声と共におれの頭の中を駆け巡る。
どん、と彼の胸を弱々しく肘打ちする。もっと早く言えよ、ばか。おれの言葉にシャンクスは喉を鳴らして笑った。今度は安堵の息と共に、またおれは泣きじゃくった。シャンクスは腕の力を弱めず、ゆっくりとまた腰の動きを再開した。
「アっ…シャンクス、…シャンクス…っ」
「好きだ、ルフィ、誰にも渡したくない…」
「ぁア…!しゃ、ああっ」
シャンクスの亀頭がおれのいいところにずんずんと当たって意識が飛びそうになった。おれは額を絨毯に擦り付けて足を震わせた。
「ぅっ、ひう、ア、ぃっ、ンっ」
「なあ、ルフィは、言ってくんねえの」
肉と肉のぶつかり合う音が部屋に響く。おれはシャンクスからの激しい揺さ振りに戦慄を覚えながら、身体を捻って涎まみれになった口許をシャンクスの唇に押し付けた。
「すき、シャンクスっ…、すき、すき」
唇を離しておれは捲し立てるように口走った。シャンクスは満面の笑みを浮かべて、より深く深くそして大きくおれを下から突き上げた。みしみしと骨が音を上げる。腸が口から出てしまいそうな程の圧迫感だった。
「アっ…!シャンクスっ!くる、アアっ!」
「ルフィ、いこう、一緒に」
「ひっ、ア!ーっああ!」
本日二度目の射精。ぐらぐらと思考が揺らぐ。そしてシャンクスもおれの内壁向かって射精した。頭に血が上っているようで酷く意識が朦朧とした。シャンクスはなおもおれの頭を撫でている。そして好きだよとおれに耳打ちをした。おれは幸福感に塗れてとうとう意識を遠く手放した。