枕から顔を上げると、窓の外では雨がしとしとと降っていた。天気が悪いと何だか気分もとても暗い気持ちになるのはおれだけだろうか。おれは専ら晴れが好きだ。それは暖かく朗らかでいて、彼と似ているから―…
「ぁっ」
身体を起こそうとすると、後孔から精液が零れ出た。しまった、後始末を忘れて眠りほうけてしまった。どうしよう、風呂へ行くにも身体が言うことを聞かない。おれが思案を巡らせていると、横に寝ていたエースの手がおれの腰へ伸びてきた。そして瞬間的におれの雄を握り締めた。
「っ!」
「お早うルフィ」
「ぁ、ばか、やだ」
亀頭を親指の腹で押され、おれは呆気なく射精してしまった。昨晩あんなに精液を放出したのにも関わらず、再び真白く濁った液体が自分の性器から飛び出しておれは我ながら驚いた。それを見てエースは喉を鳴らしながら笑った。
「若けえってのはいいもんだな」
「エース、いや、離せっ…」
おれの精液を潤滑油代わりにして彼はおれ自身を掴んだ手を上下に動かし始めた。いやな音がする。おれは耳を塞いでしまいたい思いだった。そしてすぐにまた射精感に見舞われた。ああこのまま出したらまたエースに早漏って怒られる。でも、だめだ、おれは元から我慢なんてできる性じゃねえんだ、だめだ、あ
「ぁっ、エースっ…!」
目を瞑って下肢に力を入れた。身体をぶるっと震わせると、おれはエースの手の内に精液を吐き出した。肩で呼吸をし火照る身体を落ちつかせようとしたのも束の間、エースの片方の手が俺の尻の割れ目に沿って忍び込んできた。
「ぁあ!エース、ぁ」
「濡れてる、…まあそうか、後始末してねえもんな」
指が一本、後孔に挿入された。俺は身を捩らせて声を上げた。それから早急に二本目が追加される。内壁を掻くように爪を立てられた。
「ああっ、え、あ」
「後始末してから抱かれんのと、このまま腹下しながら抱かれんの、どっちがいい」
「えっ、いや、エース」
「答えないなら、このまま抱いちまうぞ?」
「エース、ああっ…指、いやだ」
いつの間にか三本目が追加され、おれの中で三本の指が曲げ伸ばしを繰り返しておれの前立腺を刺激した。後ろに気を取られていると、途端にぎゅっと強くおれ自身を握られる。視界がチカチカと点滅し始めた。おれはどんどん理性を失っていった。
「…ルフィ」
「い、いま、いまほしい、エース」
「いい子だ」
どん、という大きな振動と共に一瞬意識が吹っ飛びそうになった。熱く硬い大きな塊がおれの中を突き進んでくる。のちにこれがエース自身だと分かるのは挿入されてから暫く経った後だった。
「あぁ、エースっ、エース、ぁぅ、ぁ」
「どうした。気持ちいいか」
「あっ、いい、きもちいい…っ」
自分の身体が自分のものではないみたいだ。エースの運動が速くなるにつれて、どんどん意識が薄れてきた。
「エース!や、ぁっ、あァ」
「ルフィ…好きだ」
「ぁ!や、エース、―ああっ!」
三度目の射精でおれは全ての力を使い果たした。うっすらと消えていく意識の中で、最後に自分の中で有る筈もない卵子を探すエースの精子を感じた。相変わらず、窓の外は降り止まない雨だった。


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