「ァっ、ろー、…っんぐっ」
麦わら屋がせっかく俺の名前を呼んでくれたってのに、ユースタス屋の野郎が麦わら屋の口に自身を無理矢理突っ込んだものだから、麦わら屋は上手く呼吸ができずにユースタス屋を咥えたままげほげほと咳き込んだ。ユースタス屋が酷く余裕のなさそうな顔をしている。まるで自分を見ているようだ、俺は嘲笑した。
「おいトラファルガー、てめえちんたらしてねえで早く動け」
挿入したまま動かない俺を見て、男は声を上げた。
「そんなに急かすなよ。じっくり楽しみたいだろ」
そう言いながらもゆっくりと麦わら屋の中を突き進む。激しく突き上げたいという欲望を抑えながらも、びくびくと反応する麦わら屋を見て至極血が騒いだ。

事の発端は数分前に昇る。
手を組まねえかとユースタス屋に言うと清々しいほどに不審がられたが、麦わら屋の名前を出すと簡単に話に乗ってきた。俺は気付いていた。彼が麦わら屋に対して俺と同じような感情を持ち合わせていることに。これを利用しない手は無いと思った。だから彼に話を持ちかけた。ただそれだけの話。
それからは妙に時間が経つのを早く感じられた。一瞬のスキをついて麦わら屋を攫い出して、人気の少ない路地裏に連れ込んだ。最初は意味が分からずに困惑しながら抵抗していた麦わら屋だったが、服を脱がされ足を割られると流石に身の危険を感じたのかあまり抵抗しなくなった。
どちらが先に後ろをご馳走になるか、良い歳をしながら少し口喧嘩になってしまったが、結局ジャンケンで勝負し俺が勝った。気分が冷める前に、俺は麦わら屋の双丘の間に無理矢理自身を差し込んだ。そして現在に至る。

「んぐ、ん、ふ、ぁっ」
「いてっ、馬鹿てめ、歯立てんな!」
ユースタス屋が顔を歪めながら麦わら屋の頭を掴んだ。麦わら屋の脳は正常に働かなくなったようで、あ、とかう、とかそんな言葉を紡ぎながらじっとユースタス屋を見詰めた。
「フェラに関しては初心者のようだな」
「萎えた」
「仕方ねえな」
俺は後ろから麦わら屋を大きく突き上げた。ああ、求めていた感触、まるで肉が裂けるような
「ァあ!、ん、ひ、ぁっ!」
やはり痩せ我慢はするものではない。俺は至極実感した。セックスにおいては、尚更。お互い気持ち良くなければ気分も乗るまい。
「おいユースタス屋、こいつにそれ握らせとけ」
「うるせえな、もうやってる」
俺が顎でユースタス屋の陰茎を指すと、すぐに答えが返ってきた。
「いいから早くしろ。再起不能にさせてえのか」
「俺に指図をするな。本当にお前は気が短いな」
再度律動を繰り返す。麦わら屋はユースタス屋の自身を両手で掴み、頭を上下させながらがくがくと揺さ振られた。
「ん、うァっ、いや、ァッ」
麦わら屋の声が段々と涙ぐんできた。痛いのか気持ち良いのかも分からない、本能的な涙だろうか。
「アっ、っう、っ…ぁっ!」
俺の動きに合わせて麦わら屋が揺れるので、その反動で良い具合にユースタス屋の自身が扱かれているようだ。ユースタス屋の息がどんどん上がっていくのを気配で察した。ああどうやら元気を取り戻したらしい。
「いぁっ、アア゙っ、あっ」
麦わら屋の頭がもたげてきた。こちらも良い締め付け具合だ。そろそろかもしれない、と思ったところで麦わら屋が、でるっ…!と口走った。
「やめ、あ、…っ、ア゙ぁっ!」
びくんと何かが破裂したように麦わら屋が大量の精子を地面向かって吐き出した。目の前のユースタス屋が麦わら屋に顔射するのを見届けて、俺も彼の中にどくどくと射精した。
薄暗い路地裏でも麦わら屋の汚れた顔がよく冴えた。俺が彼を開放すると、今度はユースタス屋がその身体を抱き抱え、すぐに赤く腫れた後孔に己を突き刺した。アア、という嗄れた少年の悲鳴が路地裏にうっすらと響いた。


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