サボが煙草に火をつけた。二人同時に時計に目をやる。もうすぐルフィがこの部屋にやってくる時間だ。サボはあまり吸っていない煙草を灰皿に押し付けた。宙へ漂う煙草の煙を俺はぼんやりと眺めた。

すると暫くして、ルフィがTシャツ姿で部屋に入ってきた。どうせ脱がされるのは知っているくせに、それでも裸で部屋に入って来ようとはしない。そんなルフィの腕を俺は強引に引っ張ってベッドに押し付けた。そして服を脱がしていく。以前酷く抵抗されたので叱ってやったらそれ以来一切抵抗の意を示さなくなった。固く閉じられた瞳の睫毛が震えている。
起きろ、とルフィに告げると彼はびくんと身体をびくつかせた。不安剥き出しの表情のまま、細い腕を軸にしてゆっくりとルフィが起き上がる。自分と向き合うようにして直立させると、すぐにルフィの背後にサボが回った。
そしてサボはルフィの尻を掴んで愛撫を始めたが、遠慮がちに彼の後孔に指を入れだしたので俺は少し腹が立った。
「サボ、そんなことしなくていい、早いうちに入れろ」
「でも、いつもルフィ辛そうだろ、お前が無理にするから」
「気にすることねえ、十分にこっちは勃ってる」
俺はルフィの中心にあった陰茎をぎゅっと握った。色は赤黒く変色し芯を持ち初めていた。
「ぅ、アっ…、エースっ…」
ルフィが俺の首に縋りつく。足ががくがくと震えている。自分の意思ではもう立っていられないようだ。
「ほらルフィ、サボに強請って見せろ」
「い、いれて下さい…」
ルフィは自分の尻をサボに突き出して、涙声で言った。従順な弟を見て、長く調教した甲斐があったと改めてそう思う。
そんなルフィに居た堪れなくなったのか、サボはベルトを外すとゆっくりとルフィの中に入っていった。
「アっ…!っ、うっ、ぁっ」
ルフィが俺の背中に爪を立て始める。俺の手の内にあったルフィ自身はもう萎えてしまっていたが、強く握って上下に擦るとすぐにまた勃起した。
「ふ、ゥ、あっ…あっ」
サボが大きく腰を揺らそうとすると、咄嗟にルフィが痛いと叫んだ。サボは心配そうな顔をして動きを止めた。ルフィの荒い呼吸が耳を掠める。
「お前は本当、ルフィに弱いな」
俺がそう吐き捨てると、サボは首を横に振った。
「お前がルフィに対して残虐なだけだ」
ルフィ、ごめんな、痛いよな、ごめんな、サボはそう言ってルフィから自身を引き抜いた。いつもそうだ。サボとルフィが最後までした所を俺は見たことがない。
「…ルフィが可哀想だ。きちんと順序を踏めば少しはルフィだって楽になるのに」
サボはいつだって弟想いだ。そんなサボに、俺は時々反吐が出る。
俺はルフィの身体の向きを変えさせた。ルフィの肌にぞっと鳥肌が立つ。サボは優しい兄で、俺は冷徹な兄。ルフィが俺を恐れているのは以前から重々承知だった。
ルフィの尻を割って、予告もせずに己を挿入した。サボはずっとルフィの抱擁するように彼の頭を撫でていた。
「んひぃ、っア゙!ああ゙っ…」
「分かってねえなサボは。こいつは痛くするほど悦ぶんだぜ」
「アア゙ッ、えーす、ァッ!いっ、ひ」
肉を抉るように豪快に突き上げて、我武者らに腰を振った。ルフィの嬌声が部屋に響く。
「えーす、う、んぐ、ァッっ、…っ!」
さぼっ、とルフィが声を上げた。反射的にサボを見ると、ルフィのものと自分のものをひっつき合わせて一緒に扱いているようだった。ああ、とうとう我慢ならなくなったか。そうだ所詮、サボだって男なのだ。
「んふ、アっ…、ひっ!い!」
サボの首に抱きついたルフィの背がどんどん湾曲になっていく。
「アぁ゙!えーす、ッ…エース!」
「いきたいならちゃんと言え」
俺の言葉にルフィはぶんぶんと首を横に振った。今になって羞恥心が芽生えてきたか。
「兄ちゃんの言うことが聞けないのか?」
ルフィの身体がびくんと震える。ルフィはこれに弱い。
「い、かせて下さいっ…」
泣けばいいと思っているのかこのガキは。俺は舌打ちをしたい気分になった。尻を引っ叩いて尿道に綿棒でも突っ込んで、もう一本バイブでもお見舞いしてやりたかったが、サボが「それ以上意地悪をするな」と目で訴えてきたので、仕方なくルフィが達せるように奥を深く突いてやる。サボの手も拍車がかかったようにスピードを上げた。
「ァっ、あ、ひア、ああ゙ッ!」
すぐにルフィが身体を痙攣させながら、サボの手の内で射精した。サボも俺も一寸遅れで精を吐き出した。自身をルフィから引き抜くと、彼の孔から俺の精液がだらしなく垂れた。

行為が終わっても尚泣き続ける弟を、サボはずっと抱き締めていた。大丈夫、もう終わったから、サボはそう優しく囁いてルフィを宥めていた。ルフィもずっと俺に背を向けたままサボの腕の中で蹲っていた。

俺は黙って部屋を出た。部屋を出てもルフィのすすり泣きの声は耳から離れてはくれなかった。俺は、ルフィを追い使わすことでしか愛を表現できない。どうやら正しい人の愛し方を見失ってしまったようだ。


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