*捏造、ジャンル、CPごちゃまぜ注意 log
(stsk 青空)
「他人の温度が嫌いでした」
帰り道彼はぽつりと、珍しく困ったように呟いた。
「誰かの手に触れたいなんて思った事がないので、正直に言うと今少し困ってるんです」
これまた珍しく頬を染めて、彼は恥ずかしそうに言った。少し照れているのか視線も泳いでいる。ああ、愛しいなあなんて込み上げてくる感情はどこまでも穏やかで、それが隣の彼にも伝わればいいと私は彼の綺麗な指先に自分の指先を絡めた。びくりと大きく震えた肩を見て、堪えきれなくなった私はクスクス笑う。ちょっと拗ねた颯斗君がお返しと言わんばかりにぎこちなく絡まるだけの指を恋人繋ぎに変えた。手は少し震えている。耳は真っ赤だ。全校生徒の前で告白したりキスしたりするのに、手を繋ぐのには必死になる颯斗君が可愛くて仕方なくて私はまた笑った。
「笑わないで下さい」
「ご、ごめん」
「……誰かを好きになったのも初めてなんです。どうすればいいのかなんて、良くわかりません」
颯斗君が珍しく素直なのは今日はとても寒いからかもしれない。私は繋いだ手に力を込めて言った。
「じゃあ考えて。どうしたらいいのかずっと考えていて。私で頭をいっぱいにしていて」
颯斗君は大きく目を見開いて、その後飛び切り優しく微笑んだ。
仕方のない人ですね。
ふふ、今日は私の勝ちだね。
そういう事にしておいてあげます。
繋いだ手の温度はいつだってやさしい。
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恥ずかしい、書いてて恥ずかしいピュアなそらお