*捏造、ジャンル、CPごちゃまぜ注意 log


(stsk 星月と月子 ※月子がちょっと電波な感じです)




「ハッピーバースデートゥーミー……ああ、正確に言えばイエスタデイですけど」

そんな言葉と一緒に帰宅直後顔面にケーキが飛んできた。勿論帰るなりケーキが飛んで来るなんて予想もしていなかったから避けきれる訳もなく、仲良くケーキにこんにちはである。スーツにスポンジと生クリームが落ちるのを感じながら、クリーニングに出さなければなあと漠然と考える。
怒ってはいない。寧ろ怒っているとしたら帰宅早々俺にケーキを投げ付けた月子の方だろう。月子はホットパンツにTシャツとラフな格好のまま指についた生クリームを舐めながら、座った目で俺をじっと見つめていた。

現在午前1時3分。昨日は月子の誕生日だった。それを俺は忘れていたわけではない、寧ろなんとか仕事を早く片付けようと努力していた。それなのに何故間に合わなかったのか、それは月子の誕生日プレゼントのせいである。
付き合い始めて数年、プレゼントにもそろそろネタ切れかと思いかけているその時に月子自身が言ったのだ。

「今年の誕生日プレゼント、ダークチェリーパイがいいです」

チェリーパイですら中々置いていないのにダークチェリーパイとは何事だ。
市内のケーキ屋を回り見付からずパティシエの友人に頼み込んで作って貰ったダークチェリーパイを片手にケーキ塗れで俺は考える。
確かに、誕生日に帰れなかったのは本当に申し訳ないし彼氏としてどうかと思う。ただお前の為に車で駆けずり回ったのだという事実は言い訳にしかならないかもしれないけど認めて欲しいと思うのは俺のエゴだろうか。お前の思うだろう俺を考えると子供すぎて結局口には出せない言葉を生クリームと一緒に飲み込む。トッピングの苺がぼとりと床に落ちた。

「こたろうさん、私、怒ってはいないんですよ。こたろうさんが忙しいのはわかってますし、理解のある女になりたいっていうのは常日頃思ってますし」

ちろちろと赤い舌で指を舐めながら月子は言う。伏せて長い睫毛とその舌でセックスの最中の月子を思い出す俺は変態なのかもしれない。

「私このバースデーケーキ自分で作ったんですけど、ケーキに苺を飾りながら考えたんです。きっとこたろうさん、今頃自分を責めてるんだろうなあって。彼女の誕生日に間に合わない自分は彼氏としてどうなんだって。
こたろうさん自覚ないかもだけど結構Mなとこあるしそうやって私の事考えて自分を傷付けちゃうんだろうなあって思ったらこたろうさんが死ぬほど愛おしくなっちゃったんですね」

確かに俺はそう考えたし、Mというのは心外だけども前向きではないという事実は受け入れよう。だけども何故バースデーケーキなのか。しかも、顔面に。
すると月子はハッピーバースデー月子と書かれたチョコのプレートを俺の額に押し付けた。何故かケーキに苺と一緒に飾られていただろうチェリーがぼろりと落ちる。

「こたろうさんのいちばん痛いとこ弱いとこ脆いとこ寂しいとこに噛み付いてぜんぶたべちゃいたい」

ばくりと唇に噛み付かれたのはその瞬間で、閉じた唇を割るようにチェリーと舌が侵入する。

「わたし変態ですかねぇ」
「……さあ」

口にしない俺の方がもっと変態かもしれない




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河内遙/ケーキを買いに

河内さんの描く漫画が好きなんですが最近読んだケーキを買いに、に影響されて書きました
河内さんの漫画って結構食べ物がでてきます。私自身食べるの大好きなんですが、漫画や小説の中の食べるシーンって隙が見えてとても好きです。生きる事に直接繋がるからかなあ

あと最近好きな人にだけ不意に見える変態性に凄く萌えます。人は誰しも変態な部分を持っていると私は信じてるんですが、シャツの裾がべろんと出ちゃってるみたいに無意識に好きな人とか気を許してる人にだけ見えちゃう変態性ってとても可愛いと思うんですよね。節度は勿論大事ですが好きな人にだけ見えてしまうというのが素というかなんというか。小野塚カホリのグリッターオアシスの名言を思い出します。変でもそれが素なら怖くない。普通を装って何考えてるかわからない方がもっと怖い

なんだか長くなってしまいましたが河内遙がほんとに好きですという話でしたちゃんちゃん

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